パナソニックは7月30日、太陽光を照射する光電極に窒化物半導体を用い、有機物を生成する電極に金属触媒を使用することで太陽エネルギー変換効率0.2%(主生成物:ギ酸)を実現した人工光合成システムを開発したことを発表した。同成果の一部は2012年7月29日から8月3日に米国にて開催される「19th International Conference on the Conversion and Storage of Solar Energy」にて発表される予定。

二酸化炭素を反応させるには、光で電荷を高いエネルギー状態にまで持ち上げることが必要だが、従来は異なる材料の光電極を複数組み合わせて使用する必要があり、構造が複雑化していたほか、二酸化炭素の反応には特殊な錯体が必要で、一般的な照射光の強度を増やしても反応電流量が追随せず、太陽光の強度を十分に利用できないという課題があった。今回、同社は窒化物半導体を光電極に用いることで電荷を二酸化炭素の反応に必要なエネルギー状態まで高めることができることを見出した。また、半導体プロセスを活用した電荷分離構造を設けることで、0.2%の変換効率を実現した。

さらに、太陽光のエネルギー利用率を高めるために、照射光量に素早く追随できる早い反応速度を実現することが必要となるため、窒化物半導体で生成した高エネルギーの電荷の移動を妨げないよう、有機物を生成する電極に金属触媒を採用。すべて無機材料で構成される電極により、二酸化炭素の反応速度を高めることができるようになったほか、金属触媒の材料を設計することで、生成する有機物の種類を変えることも可能だという。

なお、0.2%の効率はバイオマスで使用される植物と同程度であり、植物に代わって同システムを活用することで、これまで不要なものとして排出されていた二酸化炭素を原料として、有用な有機物(化学原料や燃料など)を生成することが可能になるという。

パナソニックが開発した人工光合成システムの構成図

パナソニックが開発した人工光合成システムの動作写真(写真左が光電極 右が金属触媒)。金属触媒容器中の渦状の変色部が二酸化炭素の反応を示している