Freescale Semiconductorは、メトロセルSoCソリューション「QorIQ Qonverge B4420」を発表した。2012年第3四半期に初期サンプル出荷開始を予定している。

同製品は、マクロセルの不感地帯を補足し、大容量が必要とされる大都市圏や広範囲に渡る屋外エリアのサービスエリア拡大に寄与する。基地局配置計画の柔軟性を拡充し、極めて高い性能を発揮しつつ、導入コストと運用コストの削減が可能。また、「QorIQ Qonverge」ポートフォリオの小型セル・ファミリやマクロセル・ファミリと共通のアーキテクチャを採用しており、ソフトウェアにも互換性がある。さらに、マクロセル向け「QorIQ Qonverge B4860」との間で、パッケージ互換性とピン互換性を備える。このような広範な互換性により、市場投入期間を短縮し、ソフトウェア/ハードウェア投資を最大限に活用することができる。

「B4420」は、1.6GHzで動作する2つのデュアルスレッドPower Architecture e6500プロセッサ・コア、1.2GHzで動作する2つのStarCore DSP SC3900フレキシブル・ベクタ・プロセッサ(FVP)コア、レイヤ1アクセラレーション用の超高性能MAPLE-B(Multi-Accelerator-Platform-Engine for Baseband)、レイヤ2、トランスポートレイヤ処理向けのアクセラレータが統合されている。28nmプロセス技術で製造されており、消費電力とコストの最適なバランスの下、最大2つの20MHz LTEセクタ、600Mbpsのスループット、リレー・サポートを有し、高ユーザ密度、低コスト、低消費電力の基地局の開発を実現する。

これにより、同時マルチモード動作で最大250ユーザに対応し、LTE/LTE Advanced/WCDMA(HSPA+)などの標準規格をサポート。データサービス中心の4Gワイヤレス機器の急速な普及に対応しつつ、3G展開に伴うコストを削減することができる。また、バックホールIPパケットからアンテナIQサンプルまで、ベースバンド処理を転送するレイヤ1をサポートする包括的で費用対効果に優れた高性能処理ソリューションが実現する。業界標準の高速インタフェースにより、アンテナ、Wi-Fiチップセット、バックホールをグルーレスに接続することができる。

また、EclipseベースのCodeWarrior統合開発環境(IDE)をはじめ、様々な製品とサービスで豊富なエコシステムを構築し、マルチコア開発環境を提供する。利用可能なツールには、QorIQ Qonverge開発システム(QDS)ボード、Power Architecture/StarCoreアーキテクチャ向けのC最適化コンパイラ、ソース・コード実行を可視化するプロファイラ/デバッガなどがある。また、フリースケールのパートナー・ネットワークからは、BSPや最適化されたデバイス・ドライバを備えた高効率DSP/MPUオペレーティング・システムが提供される。