防災科学技術研究所(NIED)は、同研究所が整備・運用している地震観測網が、日々とらえているリアルタイムの地震情報を配信する新たな閲覧無料のWebサイト「防災地震Web」を2012年7月2日から公開すると発表した。

NIEDでは、地震による地面の揺れのさまざまな特徴をとらえるため、3種類の地震計を用いた地震観測網として、高感度地震観測網「Hi-net」、広帯域地震観測網「F-net」、強震観測網「K-NET/KiK-net」を整備、運用している。これらの観測データや解析結果はリアルタイムに処理されており、各観測網のWebサイトを通じて発信されている。

また、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震以降、日本全国で活発な地震活動が続いている状況だ。現在、地震に関する一般の方の関心が高まっていることから、従来の比較的専門性の高い情報に加え、一般の方にも親しみやすいWebサイトとして、「防災地震Web」を開設することにしたとする。

防災地震Webの特徴は、(1)最新24時間の震源分布、(2)最新の地震の震源情報「AQUAシステム」、(3)現在の日本列島の揺れを示す「強震モニタ」の3つのリアルタイム地震情報を並べて見やすく表示しており、一目で日本列島の「今」の地震の情報を把握することが可能だ。

これらの情報は常に自動更新されるため、いつでも最新の情報を確認することができる。さらに、「最近の大きな地震」に関する震源情報や揺れの分布、また過去の大地震の特集ページなどを閲覧できるようになっている。

なお、これまでNIEDが運営していた「地震観測網ポータル」は、防災地震Webのコンテンツの一部として一新される予定だ(地震観測網ポータル自体もそのまま存続する)。防災地震Webでも、これまで同様に地震観測情報や観測網のデータを用いた研究成果についての記事が一元的に公開される仕組みで、このサイトからNIEDが配信するさまざまな地震情報に簡単にアクセスできるようにデザインされている。

防災地震Webのトップページのイメージ