フィッシング対策協議会は6月21日、2011年度のフィッシング関連データをまとめた「フィッシングレポート2012 - 新たな脅威の動向とそれに向けた対策と課題 -」を公開した。

発表内容によると、2011年度に同協議会が報告を受けたフィッシングの件数は2012年3月までに498件にのぼり、前年比で約23%増となっている。フィッシングサイトの件数も前年より約13%増加し、ブランド名を悪用された企業数も24%増加しているという。

同レポートでは報告件数やフィッシングサイト件数の増加要因として手法の高度化などを挙げており、被害を防ぐために、事業者と一般ユーザーに対して、フィッシングに関する正しい知識を普及させることが必要だとしている。

フィッシング対策協議会への届出件数(発表資料より)

また同レポートでは、銀行の第二認証情報を詐取するフィッシング事例など、従来とは異なる手法が2011年度末に観測されているとし、「新たな脅威」として取り上げている。

第二認証情報を詐取する事例における新たな手法は、実行ファイル(exeファイル)を添付したメールを送信するもので、添付ファイルを実行すると第二認証情報の入力を促す画面が現れる仕組みになっているという。第二認証情報を詐取するフィッシングは複数の金融機関で確認されており、同協議会は一般ユーザーに対して注意を呼びかけている。

第二認証情報の入力を促す画面(発表資料より)

なお、同協議会のWebサイトからレポートの全文を見ることができる。

フィッシングレポート2012の目次