日本SGIは、先端科学研究をはじめとするハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)向け共有メモリ型スーパーコンピュータ(スパコン)製品群「SGI UVファミリ」を刷新、次世代製品群「SGI UV 2ファミリ」を発表した。
同ファミリは、最上位モデル「SGI UV 2000」とエントリーモデル「SGI UV 20」の2モデルで構成されており、従来製品比で価格を最大40%抑えつつ、性能向上を実現したものとなっている。
SGI UV 2000は従来製品「SGI UV 1000」の後継機で、メモリ容量は従来機比4倍、理論演算性能は同約2倍向上させたスパコン。独自のグローバル共有メモリ技術「NUMAflexアーキテクチャ」ならびに独自のノード間接続技術「NUMAlinkインターコネクト」を実装することで、ノードごとに搭載されたメモリを単一の巨大なメモリ空間として利用することが可能となっており、シングル・システム・イメージで利用できるメモリ容量としては従来製品比4倍となる64TBを実現している。
また、ノード間接続技術を第6世代に進化させており、システム全体の帯域幅を向上。これにより、共有メモリ型コンピュータの最大の特長である広大なメモリ空間の活用が可能となり、クラスタ型システムや標準的なSMPサーバでは処理困難な、大規模で複雑なモデルやデータセットを使用する科学技術計算やエンジニアリングアプリケーションを高速に実行することが可能となった。
CPUとしては、4/6/8コアのIntel Xeon E5-4600プロセッサファミリを選択可能で、シングル・システム・イメージにおいて最大2,048コア搭載することができる。また、将来的には4,096コアまで拡張予定で、理論演算性能は、現行製品比で約2倍となる最大43.2TFlopsとなっている。
一方のグローバル共有メモリ型エントリーモデル「SGI UV 20」は、小規模なHPC用途や開発機向けのラックマウント型サーバで、UV 2000と同じXeon E5-4600を最大32コア搭載可能で、共有メモリは従来機「SGI UV 10」の1.5倍となる最大1.5TBを搭載可能だ。
なお、2製品ともにOSとして、「SUSE Linux Enterprise Server」または「Red Hat Enterprise Linux」を選択可能。価格は参考価格として、UV 2000としてはE5-4600(2.4GHz)32コア/64GBメモリ、SUSE Linux Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Centerの場合で924万1000円(税別)、E5-4600(2.4GHz)128コア/256GBメモリ、SUSE Linux Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Center、42Uラックの場合で3235万2000円(税別)となっているほか、UV 20では、E5-4600(2.0GHz 10M 6.40GT/s)16コア/64GBメモリ、SUSE Linux Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Center、2U筺体の場合で356万8000円(税別)となっている。出荷はUV 2000が2012年7月から、UV 20が同9月からをそれぞれ予定している。