中国のほとんどのネットユーザーが利用しているといっても過言ではないのが、中国版"Twitter"とでも言うべきマイクロブログサービスだ。本稿では、中国の世相を反映するメディアでもあるマイクロブログの中でも人気の高い「新浪微博」(シンランウェイボー)から、ここ1週間ほどで盛り上がった話題をピックアップして紹介しよう。
中国初 女性宇宙飛行士、宇宙へ
16日に発射予定の、中国の有人宇宙飛行船「神舟九号」。これに中国で初めて、女性宇宙飛行士が搭乗するということで、ネット上でも話題を呼んでいる。
新浪微博でも多くの人がこれを話題にし、6月11日には「神九号の女性飛行士写真公開」が話題のテーマに登場。
搭乗者候補の2人の女性飛行士が紹介されると、多数のユーザーから応援コメントが殺到した。
この応援コメントには出身地を支持理由とするものが多く、6月12日に「ある報道筋によると、宇宙に行くのは劉洋さん(河南省出身)に決定」との続報がトピックスに掲載されると、
「実は高校の先輩なんです。がんばって!」
「河南省万歳!」
「河南省の人いいね。神十号は河北省から出てほしい」
といったコメントが多く寄せられた。
運? 宣伝? 史上最高額 72億円の宝くじ
新浪微博で「史上最大の宝くじ当選額」が話題を集めている。
大当たりが出たのは「中国福利彩票双色球」くじ。これは日本のLOTOと同じような仕組みで、購入する時に数字を選び、その一致個数で当選金額が決まる。
新浪微博のトピックスによると、6月12日に当選番号が発表された同くじで、 北京市のある宝くじ売り場から、111本もの一等を当てた人がいたという。
その賞金総額は約5.7億元(約72億円)となり、宝くじ当選額の中国最高記録となるとのことだ。
これについてミニブログでは、
「一人で111枚も同じ数字を買うのは理解できない。なんでそんなことを?」
「出たよ……広告だろ? 最近景気が良くなくて、宝くじを買う人が減ったから」
「最近の当選番号決定は中継しないし、不正の可能性は高いよね」
と、様々な憶測が飛び交っている。
受験のためなら許されるか?
「受験の邪魔にならないように……という配慮から、子どもに両親の死を知らせなかった」
中国では6月7~9日に大学入試統一試験(通称: 高考)が行われた。新浪微博のトピックスによると、ある受験生の両親が、保護者会からの帰り交通事故に遭遇し、お母さんが亡くなり、お父さんは重症で病院へ運ばれたそうだ。
しかし、息子に安心して受験させるため、家族や警察、学校が結託して、子どもにこの事故のことを知らせなかったのだという。
「これをどう思う? あなただったら、隠されたことを受け入れられますか?」
という問いかけには、1:5の割合で「受け入れられない」が優勢。
「子どもが知ったらそりゃ影響はあるだろうけど……試験は来年受けることもできるじゃないか!」
「何の権利があって隠すの? どう考えても人権侵害でしょう!?」
「理屈じゃないよ……無理」
という意見が多く寄せられる一方、
「小学校に入学した1日目から、試験のため、ひいては将来のために準備してきたわけだから、ただの試験とはいえないんだよ……」
とのコメントも見られた。
規則か? 人情か? 試験に2分遅れた受験生はどうなる?
新浪微博ではもう1つ、同じく受験関係のトピックスが議論を呼んでいる。
そのトピックスとは、試験開始時間に2分遅れ、門を締められてしまった受験生親子の行動。
母親は入れてくれるように懸命に訴え、地面にひざまずいてまで懇願し、本人は過激な行為(門を乗り越える)までしたが、結局この受験生は試験を受けられなかった……というもの。
これに対する「規則は規則とするべきか、特殊な事情があるなら人情的な対処をするべきか。あなたはどう思いますか?」との質問には、
「遅刻は遅刻。時間に余裕を持って家を出なかった自己責任でしょ。もし全て人情的にやってたら、規則の意味なんてない」
という意見がある一方、
「十年以上の努力はこの3日のため。そう考えれば2分ぐらい……人情的に対処してあげてほしい」
というコメントも多く、約75%が「人情的対処すべき」と回答。
ほかにも、
「普通に考えれば規則は規則なんだけど、この大学入試だけは……」
というものが多く、受験戦争の凄まじさを思わせた。