米Microsoftは、同社のクラウドサービスプラットホームであるWindows Azureの機能を拡張し、Windows Azure Spring Updateとして発表。新たにIaaSサービスを開始したほか、CentOS、OpenSUSE、UbuntuなどのOSSの動作をサポートする。
これを受け、日本マイクロソフトは6月8日、Windows Azure Platformに関するプレスラウンドテーブルを開催。Windows Azureの最新機能について説明した。
日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏は冒頭、「Windows Azureは今回、史上最高の機能向上を行った。Windows Azureは、クラウドの中で新しいイノベーションを起こそうとしている。2010年の商用開始から2年が経ち、多岐にわたってWindows Azureが浸透してきている」と述べ、国内の採用事例を紹介した。
梅田氏によれば、Windows Azureのおもな使い方は、「ビジネスのスタートアップ」、「グローバル対応」、「既存のアプリケーションのクラウド移行」の3つだという。
今回の大きな機能強化のポイントは、仮想マシン(IaaS)、Webサイト、仮想ネットワーク。
仮想マシン(IaaS)では、Windows Server(2008 R2、2012 RC)以外にも、CentOS-6.2、OpenSUSE 12.1、Ubuntu 12.04、SUSE Linux Enterprize Server 11 SP2をサポート。これらOSSのPre-ConfigされたVHD環境が用意され、Linuxサーバを簡単に構築できる。これらは、マイクロソフトが用意するのではなく、各OSSのコミュニティから提供されるという。他のOSSについても、コミュニティの協力が得られれば、随時追加していくという。
また、オンプレス上のVHDファイルをそのままAzure上に展開でき、クラウド環境への移行をサポートする。
Webサイトでは、同社が現在Web上で提供している「WebAppギャラリー」上でダウンロード可能にしているWordPress、SugarCRM、OpenPNEなどのWebアプリケーションを、Azureの管理画面からインストール可能にした。また、同社が提供する無料のWebサイト構築ツールWebMatrixとの連携も行え、Azure上のサイトデータをローカルに保存し、WebMatrixで編集し、そのままAzure上にアップロードできる。
クラウド&アプリケーションプラットフォーム製品部 ディレクター 吉川顕太郎氏は、「Webサイトで検証済みのオープンソースの環境を迅速・安全に利用できる」と述べた。
そして、仮想ネットワークは、Windows Azure環境にユーザー指定のIPアドレスでサブネットを作成可能な機能で、VPNゲートウェイでオンプレミスのサブネットと接続することで、企業ネットワークの延長として扱える。Windows Server 2012の「ネットワークの仮想化」も同じ技術が使われている。
梅田氏は、2016年のIaaS+PaaS市場約2,700億円のうち、20%を獲得し、No1のシェアを獲得したいと述べた。