アドビ システムズは4月24日、世界5ヵ国で実施したクリエイティビティ(創造性)に関する意識調査の結果を発表した。今回の調査は、米国 / 英国 / ドイツ / フランス / 日本で18歳以上の5000人を対象に、3月30日~4月9日に行われたもの。

発表によると、経済成長には「クリエイティビティが極めて重要である」と答えた人は全体の80%に及んだ。「クリエイティビティが社会に価値をもたらす」と回答した人も64%近くいたが、「自らのクリエイティビティを最大限に発揮できている」と答えた人は25%ほどにとどまった。

同調査では、クリエイティビティに対する意識が国によって大きく異なり、最もクリエイティブな国は日本であるという結果となっている。しかし、自らをクリエイティブであると考えている日本人は少なかった。日本に次いでクリエイティブな国は米国で、米国人は自らを最もクリエイティブであると考えている人が多かった。また米国人は、自分のクリエイティビティが十分に発揮されていないと考える傾向が他の国よりも強かった。

調査結果のインフォグラフィック

職場でのクリエイティビティに関する設問では、75%の人が仕事において「クリエイティビティよりも生産性が求められている」と答え、40%以上の人は「自らのクリエイティビティが十分発揮されていない状態」だと答えている。

また、教育システムにおいては「クリエイティビティが抑圧されている」と感じる人が過半数を占めており、「教育システムにクリエイティビティが必要だ」と考える人も対象国平均で52%にのぼった。

これらの調査結果について、教育やクリエイティビティに詳しいサーケンロビンソン博士は、「本当にクリエイティブな人はほとんどいないという大きな誤解がある。本当はみんな素晴らしい素質を持っているが、それを活かせていない。こうした誤解の要因のひとつは、教育システムが均一性や標準化を推進し、学生に本来備わっているクリエイティブパワーを引き出せていないことにある」とコメントしている。

今回の調査結果は同社Webサイトで公開されている。