Twitter CEO
デッィク・コストロ氏

Twitter CEOのデッィク・コストロ氏が来日し、4月16日にメディアイベントが開催された。本イベントにて同氏は、Twitterでのグローバルでの成長、そして日本市場、とりわけ2011年3月に発生した東日本大震災時のTwitterのライフラインの機能について説明した。同氏は2010年10月に同社CEOに就任している。

コストロ氏はTwitterのサービスについて「Twitterは人と人との距離近づけるサービス」と述べた。たとえばニュースなどの映像で見る遠い世界の人としてではなく、Twitterのサービスはニュースに登場する人やデモに参加する人々の姿などを、より身近に感じることができるという意味で、「世界の距離を縮小し、人と人との距離を、遠い世界の出来事としてではなく、自分に近づける」サービスということだ。

日本市場については、アクティブユーザの成長率がグローバルでの平均を上回っていることや、ユーザの高いエンゲージメント、また1秒あたりのツイート数(TPS : Tweet per Second)の記録が、昨年12月に「天空の城ラピュタ」が放映された際の2万5000超を始めとして日本で多く生まれていること、さらには日本でのTwitter利用において最先端の例も見られる点などに触れ、同社のサービスにとって重要な市場とした。

Twitter CEOと「天空の城ラピュタ」

Twitterの最近の数字なども発表された

3.11の東日本大震災については、同氏は3つの教訓を得たと述べている。1つめは、友人や家族、さらには見知らぬ他人とのコミュニケーションという「人々をつなげる力」。2つめは、災害情報や政府・自治体などの情報発信などに見られたTwitterの「ライフランとしての機能」。そして3つめがフォロー・フォロワーだけの関係ではなく、必要な情報が得るのに役立てられた「ハッシュタグの活用」だ。

このような災害時におけるTwitterの活用事例は、グローバルでも関心が高いという。今回、来日した目的のひとつにも、東日本大震災でのTwitterの使われ方の把握(そしてこの事例をグローバルに広げること)があるという。

また災害時のデマや誤情報、あるいは違法行為などをTwitter上でツイートしてしまった事例については、「人々の善意によってこの問題は解決できるし、Twitter上のツイートはオープンになっており犯罪行為の場になるようなことはない」とした。

Twitterでのコミュニケーションについては、人と人との距離を近づけるだけではなく、今起きていることを当事者がTweetすることによってさらにコミュニケーションの姿が変わってきているとした。たとえば、この日のメディアイベント中に同氏がツイートを発したことやイベントのハッシュタグ「#FlywithTwitter」でのコミュニケーションなどは、その一例といえるだろう。

イベント中に、逆にコストロ氏がツイート

コストロ氏は「TwitterはオープンAPIを公開しているが、このような機能をさらに進化させ、真の意味でのリアルタイムプラットフォームを構築したい。また、このプラットフォーム上で企業がビジネスを行えるようにしていく」と述べ、日本市場へのコミットメントとしてはエンジニアやサポートのほか、営業の人員採用を強化するとした。