アドバンテストは3月19日、半導体検査装置、高速通信機器、高周波計測器・部品などに使用されるMEMSリレーを開発したことを発表した。

高周波リレーは現在、電磁駆動や静電駆動によるものが多く普及しているが、電磁駆動はサイズや消費電力が大きい、静電駆動は静電気などの環境に影響されやすく駆動電圧も高いという問題を抱えている。

同社のMEMSリレーは、圧電駆動方式を採用しこれらの問題を解決した。独自の成膜技術により、低駆動電圧に必要な薄さ1μmの圧電膜を実現し、チップ厚は0.9mmとなっている。また、同社が長年培ってきた高周波計測技術により、最大20GHzの高周波伝送に対応する他、12Vの駆動電圧を実現している。半導体試験装置で実績を重ねてきた接点制御技術により、動作の高信頼性も兼ね備えている。

これにより、電磁駆動方式より小型化や省電力で勝り、静電駆動方式より耐環境性や駆動電圧に優れているという。

なお、同製品のサイズは5.4mm×4.2mm×0.9mmと2.9mm×3.4mm×0.9mmの2種類を提供する。サンプル価格は8800円で、サンプル出荷を2012年4月より開始する。量産開始は2013年1月を予定している。

MEMSリレーの製品写真