米Yahoo本社

米Yahooは3月12日(現地時間)、上場計画を発表したFacebookを相手取り、10件の自社特許を侵害しているとしてカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にて提訴した。スマートフォン分野で激しい特許戦争が繰り広げられているが、インターネットサービス全体に拡大する可能性を指摘する向きもある。

Yahooはオンライン広告、プライバシー設定、メッセージ、ソーシャル機能、カスタマイズなどの分野で自社が保有する特許をFacebookが侵害したと主張している。例えば、Yahoo!が買収したOvertureが取得した米特許番号6,907,566の「Webページ上に広告を最適配置する手法およびシステム」などが含まれている。

Yahooは今年1月に新CEOとしてPayPal(米eBay)よりScott Thompson氏を迎え、事業建て直しを図っている。同社は2月、New York Times紙に「Facebookが自社特許を侵害している」と主張、「Facebookにライセンス合意に応じるか、さもなければわれわれの権利を保護するための対策に出ると主張しなければならない」と述べていた。

ライバルの米Googleが2004年にIPOをする際もYahooは特許侵害を主張、この時は株式による和解金支払いで終結した。Facebookは今春にもIPO実施と予想されており、同じパターンとなった。

現在のハイテク業界における特許訴訟は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル分野に限定されている。ペンシルバニア大学ウォートンスクールのAndrea matwyshyn助教授は「ソーシャルメディアが関係する特許訴訟の事例としては初」とBBCにコメント、特許主張に成功すれば拡大する可能性があると見る。Yahooの今回の訴訟により、今後ソーシャルネットワーク分野やインターネットサービス全体にも特許訴訟が拡大するかが注目される。