三菱電機は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の電圧変換器などに搭載されるパワー半導体を駆動する車載用600V耐圧のHVIC(High Voltage Integrated Circuit)「M81729JFP」を発売することを発表した。

産業用途などではパワー半導体をHVICで駆動するのが一般的だが、車載用途では広い動作保障温度や高い信頼性が要求されるため、コンパレータや絶縁するフォトカプラなどによる専用回路で駆動していることから、小型化と高い信頼性が課題となっていた。

今回、同社では、車載用途に求められる広い温度保障範囲と高信頼性を実現し、EVやHEVの電圧変換器の小型化と信頼性向上に貢献する。

同製品は、-40~+125℃の広い動作保証温度範囲を確保した他、電源電圧の低下時に出力停止制御を行うことで、パワー半導体の破壊を防止する。高温での長時間動作試験などのバーンインの実施により信頼性を確保している。コンパレータやフォトカプラなどの専用回路が不要となり、電圧変換器を小型化する。

さらに独自の600V耐圧MFFP(Multiple Floating Field Plate)構造により、最大リーク電流を1μAに抑制する。高圧側と低圧側の伝達遅延時間を合わせたことで、容易にパワー半導体の制御が可能となっている。また、RoHS指令に準拠し、外装端子めっきに鉛フリーはんだ、チップ実装に銀ペースト樹脂を使用している。

なお、サンプル価格は500円で、4月2日より発売を開始する予定。

車載用600V耐圧HVIC「M81729JFP」の製品写真