Microchip Technologyは3月8日、ドイツで開催されたEmbedded World Conferenceにおいて、省スペース、省コスト設計向けに5mm×5mm小型パッケージで61DMIPSの処理性能を実現する、新シリーズの少ピン32ビットPIC32マイクロコントローラ(MCU)「MX1」および「MX2」を発表した。

PIC32 MX1/MX2は、小型かつ低コストのPIC32マイコンで、PIC32 MCUとして初めて専用のオーディオモジュールと静電容量式センシングモジュールを搭載した。また、USB On-the-Go(OTG)機能にも対応しているため、オーディオアクセサリの他、コンシューマ、インダストリ、医療、車載分野の各種アプリケーションに適している。

最高温度105℃で動作し、最大128KBのフラッシュ、32KBのRAM、オーディオ処理用の2つのI2Sインタフェース、「mTouch」静電容量式タッチボタンなどのセンサに使える内蔵ハードウェアモジュール、グラフィックまたは外部メモリ用8ビットパラレルマスタポート(PMP)インタフェースを備えている。また、10ビット、1Msps、13チャネルのA/Dコンバータ(ADC)、シリアル通信周辺モジュールを搭載しており、さらにPIC32 MX2にはUSB OTGも搭載されている。

28ピンSOIC、SPDIP、SSOP パッケージ、36ピンVTLA パッケージ、44ピンQFN、TQFP、VTLAパッケージで提供される。最小パッケージは5mm×5mm、0.5mmピッチとなっている。さらに同社のペリフェラルピンセレクト(PPS)機能により、設計の負担を軽減している。PPS機能により、ほぼすべてのデジタルピンの割り当てを変更できるため、レイアウトと設計の変更が容易になる。

同社の16ビットPIC24F製品ラインと互換であり、移行が容易となっている。同社の8/16/32ビットMCUのすべてに対応した統合開発環境である「MPLAB X IDE」でもサポートされる。新しいMCUを使った開発向けに、「PIC32MX1XX/2XX MCU用MPLABスタータキット(製品番号:DM320013)」を提供。USB電源で駆動する同キットは、128KBフラッシュと32KB RAMを内蔵するPIC32MX250F128D MCU、2インチカラーTFTディスプレイ(220×176ピクセル)、静電容量式タッチスライダとボタン、SDカードストレージ、24ビットオーディオ再生機能を装備している。さらに、「Microstick II(製品番号:DM330013-2)ツール」と、Explorer 16開発ボード用の「PIC32MX250F128Dプラグインモジュール(製品番号:MA320011)」も提供される。

PIC32 MX1/MX2 MCUの製品イメージ

PIC32 MX1/MX2 MCUのブロック図