エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、富士通の4社は、携帯電話やスマートフォンで用いられるGSM、W-CDMA、HSPA+、LTEの4種類の通信方式に対応可能な1チップベースバンドLSIを開発、エンジニアリングサンプル性能評価および、主要ネットワークベンダとの接続に必要な全試験工程の実施を完了したことを発表した。
同チップを用いることにより、複数の通信方式を1つの端末で利用する場合に必要となっていた複数のベースバンドLSIを1つに集約することが可能となる。これにより、通信時や待機待ち受け時の消費電力を従来ソリューション比で最大20%低減することが可能となるほか、周辺部品点数の削減および基板面積の削減も可能となる。
また、すべての通信方式は3GPPによる標準規格に準拠しており、LTEについてはNTTドコモが採用しているFDD方式に加え、中国などで採用が予定されているTDD方式にも対応していることから、国内端末メーカー、海外端末メーカーともに利用することが可能だ。
なお、4社は、同LSIを採用することで、端末のダウンサイジングやコストダウンの実現、ならび迅速な製品開発を実現し、4社を含む合弁会社を通じた国内外への販売展開を行っていく計画としている。また今後、次世代の通信規格であるLTE-Advancedへの対応を含む拡張開発を進めていくことで、事業活動の拡大を進めていく予定としている。