インターブランドは2月14日、日本発のブランドを対象とした世界基準によるブランド価値評価ランキングである「Japan’s Best Global Brands 2012(日本のグローバル・ブランドTOP30)」を発表した。同ランキングは、グローバルな事業展開を行う日本発ブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもの。今回で4回目の発表となる。
2011年は、東日本大震災、タイの大洪水による生産ラインの停止、原発事故の放射能漏れによる食品を中心とした日本製品の安全性への疑問など、日本ブランドの威信が揺らいだが、日本グローバル・ブランドTOP30のブランド価値合計額は、前年比1.4%の微増となった。
ランキングの第1位から第9位までは昨年と同じ結果となり、第1位はToyota、第2はHonda、第3位はCanonだった。
Japan's Best Global Brands 2012
順位(2011) | 順位(2010) | ブランド名 | ブランド価値(単位:百万USドル) | 前年比 |
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1 | 1 | Toyota | 27,764 | 8%増 |
2 | 2 | Honda | 19,431 | 5%増 |
3 | 3 | Canon | 11,715 | 2%増 |
4 | 4 | Sony | 9,880 | 13%減 |
5 | 5 | Nintendo | 7,731 | 16%減 |
6 | 6 | Panasonic | 5,047 | 11%増 |
7 | 7 | Nissan | 3,819 | 32%増 |
8 | 8 | Lexus | 2,554 | 1%増 |
9 | 9 | Toshiba | 2,325 | 4%増 |
10 | 11 | Komatsu | 2,317 | 6%増 |
同社は、Toyotaについて、「2010年のリコール問題により信頼が一時的に揺らいだが、PRIUSの成功によりグリーン・イメージを確固たるものにしているほか、昨年7月に発表したグリーンブランドのグローバル・ランキングで世界トップとなるなど、グローバルにおける環境イメージで競合ブランドに追随を許さない状況となっている」と分析している。
NissanとBridgestoneが、新興国と「環境対応」でブランド力を高め、大きく価値を向上させているほか、昨年に引き続き2ケタ成長を示したNikon(第12位)は、新興国を含めたグローバル市場で、ブランドの存在感をさらに高めているという。
福島原発の事故による世界的な原子力政策の見直しは、原子力事業を営む日本の重電ブランドへの強い逆風となったが、被災地復興を後押しする「社会イノベーション事業」を加速させているHitachi(6%増、第23位)、スイスのスマートメーター製造大手を買収し、スマートグリッド事業を強化しつつあるToshiba(4%増、第9位)のブランド価値は、堅調な伸びを示している。