The Mozilla Foundation

WebデザイナやWebデベロッパであれば、下図のようにベンダプレフィックスを指定したCSSファイルを制作したことがあったり、あるいは日常的に目にしていたりするだろう。ブラウザベンダは策定段階にあるCSSの機能を先行して実装し、その機能を利用するためにベンダプレフィックスを付けた状態で機能を提供している。WebデザイナやWebデベロッパは将来の使用も想定して、標準化するであろう記述方法と同時に、これらベンダプレフィックスも付与したスタイルを併記したCSSファイルを制作する。ベンダプレフィックスであふれたCSSファイルというのは珍しくない。

こうした状況は好ましいものではないとして、別の記述方法を提案する取り組みがMozillaのFelipe Gomes氏より発表された。同氏は、ベンダプレフィックスは利点よりも問題が多いとし、表記方法を変更することを提案している。

ベンダプレフィックスを使ったCSS記述例 - A proposal to drop browser vendor prefixesより抜粋

提案されている方法は次の左図のように、プロパティに対して、どのレンダリングエンジンにおいて開発中の機能を有効にするか指定するというもの。いわばベンダプレフィックスの指定を個別に実施するのではなく、一箇所でまとめて宣言するといったスタイルが提案されている。

ベンダプレフィックスを一箇所にまとめる記述方法 - A proposal to drop browser vendor prefixesより抜粋

バージョン指定やシンタックスの違う指定にも対応 - A proposal to drop browser vendor prefixesより抜粋

このほか、対象としてレンダリングエンジンのバージョンを指定できるようにするなど、指定方法が違う場合に対しては別途その方法を記述するといったアイディアも掲載されている。今回は、提案が実施されたの段階であり、すぐにここのような記述方法が採用されるとか普及するといった類の話ではないが、こうした記述方法が提案されているということは気に留めておきたい。