マルウェア拡散の場としてGoogleのAndroid Marketがこのところ問題となっているが、ライバルにあたるAppleのApp Storeでは不正行為を行う開発者とのイタチごっこが続いている。コピー品アプリを大量に出品する開発者が登録を抹消された事例が報告されたほか、業者を使って不正にApp Storeのランキングを操作する開発者に対してAppleが警告を行うなど、アプリストア運営における苦慮が見え隠れする。

コピー品アプリの大量登録にはすでに削除で対応

コピー品(あるいは模造品)アプリの大量展示に関する問題を伝えているのはThe Unofficial Apple Weblogだ。例えば2月3日にPaul Haddad氏のTweetで報告されている画像を参照すると、どこかで見たことあるような著名ゲーム作品の名を一部借用したアプリが、あるデベロッパーから大量に登録されていることが確認できる。この話題は数日のうちに大きく拡散したようだが、6日の段階でAppleがこのデベロッパーのアプリを大量削除したことが確認されている。App Storeでは登録に際して審査が行われているはずだが、特定デベロッパーから問題アプリが大量登録されたことを、早い段階で気付くのは難しかったのだろうか。

ランキング操作にはアカウント抹消で対抗すると警告

もう1つはアプリのランキングの不正操作への対処で、こちらはMacRumorsが報告している。世の中にはデベロッパーからの委託を受けてApp Storeのランキングを操作するという業者がいるようで、報告によれば5,000ドルの報酬でボットを駆使してダウンロード作業を行わせ、無料アプリのランキングを25位以内に押し上げることを約束しているという。特別なプロモーションやメディアでの紹介がない限り、アプリのダウンロード数はランキングに出現するか否かで決まる傾向が強いため、こうした不正行為が成立するというわけだ。

だが、Apple側もこうした行為を許したわけではなく、開発者らに対して自他問わずランキング操作の行為が発覚した場合、Apple Developer Programのアカウント抹消で対抗すると警告している。コピー品アプリの問題と比較して、ランキング操作の不正はその有無が非常にわかりにくいが、もし発覚した場合には厳罰をもって対処するとの姿勢を示していることになる。

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