日本交通 代表取締役社長の川鍋一朗氏

日本交通と日本マイクロソフトは12月13日、「全国タクシー配車」サービスで協業したと発表した。GPS付きの専用スマートフォンアプリケーションからタクシーを配車できるというもので、サーバ側のアプリケーションはMicrosoftのクラウド基盤「Windows Azure Platform」上で稼動している。同日より提供が開始されている。

日本交通は今年1月18日より首都圏を対象とした同社専用サービス「日本交通タクシー配車」を提供していたが、全国のタクシー会社からの利用要望を受け、さまざまな事業者のタクシーを呼び出せる全国版を企画。ムビチケなど、業界活性化ソリューションで実績のあるマイクロソフトの協力を得ながら開発を進めてきたという。日本交通タクシー配車サービスではサーバアプリケーションを日本交通の自社サーバで稼動させていたが、全国タクシー配車サービスではディザスタリカバリーや荒天時のトラフィック集中なども考慮し、Windows Azure Platformを利用することになった。

日本交通 代表取締役社長の川鍋一朗氏は、日本交通タクシー配車の実績として、この11ヶ月でスマートフォンアプリケーションのダウンロード数が約15万に上り、配車件数が1ヵ月に7000、累計売上は1億円超になることを紹介。GPSを利用できるため電話による配車依頼よりも正確に最寄のタクシーを捕まえられるほか、配車依頼も数回タップするだけで終えられるといった特徴があり、「一度利用したユーザーは電話での依頼にほとんど戻らない」といったエピソードを明かした。

全国タクシー配車アプリケーションの画面

また、全国タクシー配車サービスでは、日本交通タクシー配車サービスからスマートフォンアプリケーションを大幅に機能強化。現在地と目的地を指定すると料金の目安を算出する料金検索機能や、対応地域外でアプリケーションを起動した際に地元のタクシー会社の電話番号を表示する電話帳機能などが追加されている。

今回発表された提携タクシー事業者は以下の13グループ。

  • SKタクシーグループ
  • 日本交通埼玉
  • 三和交通埼玉
  • 日本交通グループ
  • 荏原交通
  • 日本交通立川
  • 三和交通三多摩
  • 三和交通横浜
  • 名鉄タクシーホールティングス
  • ヤサカタクシー
  • 国際興業大阪
  • 両備グループ
  • 福交タクシー無線グループ

これらの会社により、札幌、埼玉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、福岡の10地域がカバーされている。4月には熊本も追加される見込み。

川鍋氏は今後の目標として、「1年以内に19の政令指定都市全てでサービスを提供すること」、「3年で現在約4%の国内タクシー台数カバー率を30%(約6万台)にまで高めること」を挙げた。

なお、同サービスのスマートフォンアプリケーション名は「全国タクシー配車」で、価格は無料。同日よりiPhone版、Android版が提供されており、Windows Phone版も近日中にリリースされる予定。