iMacの現在のラインナップは21.5インチと27インチ

Walter Isaacson著「Steve Jobs」で、Steve Jobs氏がテレビの再定義を狙っていたことが紹介されてからAppleのテレビ市場参入が噂されるようになった。その突破口としてAppleはまずiMacにテレビ機能を実装するというWedge Partnersのアナリストの見解をForbes.comが紹介している。

Wedge PartnersのアナリストのBrian Blair氏がリサーチノートの中で、iMacの進化形がAppleのテレビ市場参入につながると指摘した。現行モデルよりもスリムなデザインになったiMacに、Apple TVとiCloud機能が統合され、そして徐々に画面サイズが大型になっていく。

「新しいTVというと壁にかけられた大画面の製品をわれわれは想像するが、これ(iMacベースなら)ならAppleは既存の製造ラインを活かせるから現実的だ。27インチからゆっくりと32インチ、そして最終的に42、50、55インチの市場にまで到達することで、効果的に市場に食い込める」「要するに最初のAppleのテレビは、iCloudプラットフォームを通じてテレビとしても機能するiMacコンピュータだとわれわれは考えている」とBlair氏は語っているという。

Blair氏のリサーチノートはあくまで、いまの状況から組み立てた予想に過ぎず、実際にAppleがiMacへのテレビ機能実装を進めていることを示す材料はない。米国ではパソコンでテレビを視聴・録画するスタイルが根付いておらず、チューナ機能を備えたPCが普及していない。そのため、モバイルPCの成長と共に存在感が薄れつつあるデスクトップPCに新たな役割を持たせるために、パソコンメーカーがテレビ機能の実装を試みる可能性はある。

テレビ機能とは異なるが、AppleはiTunes内のコンテンツをMacでテレビのように楽しめるようにするインターフェイス「Front Row」の提供を2005年に開始し、MacにApple Remoteを付けていた。しかしFront Rowを使ってMacでデジタルコンテンツを楽しむスタイルは定着せず、2008年からApple Remoteが別売りオプションになり始め、OS X LionでOS XからFront Rowが省かれた。