米ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン区にあるグランドセントラル駅に、米Appleが12月9日(現地時間)に「Apple Store Grand Central」をオープンさせる。23,000平方フィートと最大規模のApple Storeであり、また「Personal Pickup」「EasyPay」「Express Workshop」などApple Storeの新たなサービスをアピールする店舗になる。

マンハッタンの42丁目にあるグランドセントラル駅は、1日に750,000人が利用するマンハッタン最大のターミナル駅だ。高さ38メートルの天井全体に星座が描かれたメイン・コンコースが有名で、Apple Storeのバルコニー部分からメイン・コンコースを一望できるという。

数々のショップやレストランが揃う駅構内の商業スペースは、通勤の途中や出発までの空き時間に利用する人が多い。そうした限られた時間で買い物をする人たち向けのサービスが充実しているのがApple Store Grand Centralの特徴と言える。まずPersonal PickupとEasyPayに対応する。これはAppleが提供するiOSアプリ「Apple Store」のバージョン2.0以上を使って利用するサービス(現時点では米国のみ)だ。Personal Pickupはアプリ内で購入した商品を実店舗で受け取れる仕組み。昼休みにアプリで買い物をして、帰りに駅ナカのApple Storeでピックアップすれば時間も荷物も軽減できる。EasyPayはiPhone(iPhone 4/iPhone 4Sのみ)を使った商品検索/支払い機能だ。Apple Store店内で対象となるアクセサリ商品に付けられたバーコードをiPhoneでスキャンすると、商品情報にアクセスでき、そのまま支払いも完了できる。

Personal Pickup。Apple Storeアプリで商品を購入し、Apple Store店舗で受け取り

EasyPay。Apple Store店内で、アクセサリ商品に付けられたバーコードをスキャンして商品の情報にアクセス、そのまま支払いを済ませられる

Apple Storeアプリを用いることでApple Store Grand Centralでは店員との最小限のやり取りだけで買い物を済ませられるが、Storeスタッフによるサービスも充実している。Genius Barは2カ所にあり、パーソナルセットアップ・ルームやパーソナルトレーニング・ルームも用意されている。また通勤者向けに、15分の短い時間内で効率的に操作のコツを伝えるExpress Workshopsを新たに設けた。

Associated Pressによると、Appleはグランドセントラル駅を所有・管理するMetropolitan Transportation Authority (MTA)と10年間のリース契約を交わした。リース料は1平方フィートあたり180ドルと、同駅内で最も高い200ドルをわずかに下回る。これはApple Storeがオープンする場所にあったレストランへの500万ドルの支払いや、Appleによる250万ドルの設備投資なども反映した数字だという。MTAはグランドセントラル駅内に出店する多くのテナントから売上げの一部を徴収しているが、Appleに対しては売上共有を求めていない。同駅の新たな顔として、他のテナントにも利益をもたらす存在になるとMTAは期待しているという。