富士通セミコンダクター(FSL)は12月1日、H.264方式とMPEG-2方式の映像データを双方向に変換するフルHD対応のメモリ内蔵トランスコーダLSIの第2世代品「MB86M01」、「MB86M02」、「MB86M03」を開発し、2012年3月下旬よりサンプル出荷を開始すると発表した。
今回の第2世代品では、第1世代品「MB86H57」、「MB86H58」で実現したMPEG-2からH.264へのフルHDトランスコード機能に加えて、H.264方式の映像データをさらに高圧縮なH.264方式の映像データに変換するトランスレート機能を追加した。MPEG-2方式での放送圏である日本、米国向け製品だけでなく、H.264方式での放送圏である欧州・南米・アジアなど世界各地域の製品に搭載が可能となっている。また、各種フォーマットのオーディオトランスコードにも対応している。
同製品には1GビットのFCRAM(Fast Cycle RAM)を内蔵しており、同社の低消費電力技術と富士通研究所が開発した独自のアルゴリズムによる高画質化と処理量低減により、フルHDでのH.264トランスレート時の消費電力をメモリ込みで1.2Wに抑えている。さらに、オーディオトランスコード機能やデジタル放送のコンテンツ保護に必要となるセキュリティ機能、各種接続インタフェースを1チップに集積し、メモリも含め1パッケージに収めた。
パッケージはMB86M01が13mm角490ピンFBGA、MB86M02が21mm角490ピンFBGA、MB86M03が13mm角289ピンFBGAを採用している。13mm角のMB86M01およびMB86M03は、スマートフォンやタブレット用アクセサリ製品、ノートパソコンなどを含めたモバイル関連製品向け、21mm角のMB86M02は据置き機器向けとなっている。
なお、2012年度の量産時で月産40万個の販売を予定している。