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PhoronixにKVM、VirtualBox、Xenを使用したベンチマーク比較が「Ubuntu 11.10: Xen vs. KVM vs. VirtualBox」として掲載されている。こうしたベンチマークは、使用するハードウェアやテストするベンチマークの種類、ホストやゲストのソフトウェアの設定など、状況如何で大きく変わるため、自分が必要とする条件で比較することが大切で、資料程度に留めておく必要があるが、公開された内容は一般的な予測とは異なる結果でなかなか興味深い。

説明によれば、ベンチマークに使われたPCはZaReasoノートPC。Intel Core i7 2630QMを搭載したモデルで、メモリ8GB、128GB SSD、NVIDIA GeForce GT 555Mという構成だという。ホストにはOracle Linux 3.0カーネルを搭載したUbuntu 11.10 x86_64版を採用。ここに8論理コアと6GBのメモリを割り当てた仮想環境をKVM、VirtualBox 4.1.2、Xen 4.1.1を使って構築している。

ベンチマーク結果ではそのほとんどでKVMが優れた値を出し、これにVirtualBoxが続いている。KVMとVirtualBoxは比較的ネイティブに近いところまで性能を発揮しているが、Xenはこれと多少開いた結果になっている。状況から見てKVMがもっとも優れた値を出すことは想像に難くないが、これにVirtualBoxが続いていることは注目に値する。

もちろんこの結果は仮想技術の優劣を評価するものとは言えない。VirtualBoxはSQLiteのベンチマークがホストよりも高速化しており、syncまたはfsyncの処理が忠実に再現されていないといった問題があることも指摘されている。また、堅牢性や可用性、さらに使いやすさなどさまざまな要因を検討する必要がある。現在、KVMに対するVirtualBoxの利点はより進んだ3D機能への対応などにある。Xenは必要最小限のコードがLinuxカーネルにマージされたばかりであり、ほかの機能のマージなどまだまだ進展の余地がある。