米Amazon.comが9月28日(現地時間)に米ニューヨークでプレスイベントを開催し、新世代「Kindle」、マルチタッチ対応の「Kindle Touch」「Kindle Touch 3G」、Andoroidプラットフォームを採用した「Kindle Fire」などを発表した。新Kindleは79ドルと従来よりも手頃な価格に設定されており、「Kindleは魅力的な二桁台の価格に到達した」とCEOのJeff Bezos氏。映画やTV番組、Androidアプリも利用できるFireについては「タブレットではなく、サービスの一部と位置付けている」と同氏。「われわれがAmazonで15年以上かけて手がけてきたものを1つの統合的なサービスとしてユーザーに届ける」と述べた。

左から「Kindle Fire」「Kindle Touch」「Kindle」

Kindle/ kindle Touch/ Kindle Touch 3Gは、E Inkの電子ペーパー・ディスプレイを採用した電子書籍リーダー端末だ。電子書籍・ドキュメント(AZW、TXT、PDF、MOBI、ORC、DOC、DOCX、HTML)、オーディオ(Audible、MP3)、画像(JPEG、GIF、PNG、BMP)などをサポートする。

今回発表された製品は、いずれもハードウエアキーボードを装備していないコンパクトなデザインが採用されている。最小モデルとなる新Kindleは、本体の大きさが166×114×8.7ミリで、重さが170グラム。現世代のKindleよりも30%軽く、18%小さくなった。ポケットに収まるサイズでありながら、ページを移動する速度は10%向上しているという。ディスプレイは6型のE Ink電子ペーパーで、解像度は600×800(167ppi)。内蔵ストレージは2GB(ユーザー領域は1.25GB)。通信機能はWi-Fi (802.11b/g/n)。5方向コントローラで操作する。価格は79ドルで、11月21日の出荷開始を予定している。

Kindle TouchとKindle Touch 3Gはマルチタッチ操作をサポートする。またX-Rayという書籍の概要や補足情報をまとめて提供する新機能を備える。本体サイズは172×120×10.1ミリで、重さはTouchが213グラム、Touch 3Gが220グラム。どちらも内蔵ストレージは4GB (ユーザー領域は3GB)。通信機能はWi-Fi (802.11b/g/n)で、Touch 3GはAT&Tの3Gデータネットワークを無料で利用できる。価格はTouchが99ドル、Touch 3Gが149ドルで、出荷開始予定は11月21日。

Kindle Fireは7型のカラーIPS液晶 (1024×600、169ppi)を搭載しており、そのためバッテリー駆動時間が読書で最長8時間と、Kindle端末としては短い。代わりに絵本やグラフィックノベルをカラー液晶で楽しめ、動画(MP4、VP8)の視聴も可能だ。Kindle Storeだけではなく、Amazon Instant VideoやAmazon MP3などAmazonのあらゆるデジタルコンテンツ配信サービスと連係し、Amazonから入手した電子書籍、雑誌、映画、TV番組、音楽を1つの端末で楽しめる。また、Amazon Appstoreを通じてFire向けに配信されるAndroid用のアプリやゲームも利用可能。「Amazon Silk」というAmazon Elastic Compute Cloud (EC2)と連係して機能するWebブラウザを備えるのも特徴の1つ。Webコンテンツも快適にブラウズできる。

本体サイズは190×120×11.4ミリで、重さは413グラム。内蔵ストレージは8GB。通信機能はWi-Fi (802.11b/g/n)。価格は199ドルで、11月15日に出荷開始となる予定。