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6週間おきにメジャーアップグレードを実施するというFirefox 4からはじまった新しい短周期リリースモデルは多くのユーザにとってメリットがあるが、エンタープライズでの利用には向いていないと非難を受けてきた。これに対処するためMozillaは問題解決に向けた議論を実施するエンタープライズワーキンググループの活動を再開。対応案の途中経過が報告された。

現在のところエンタープライズ向けに「ESR (Extended Support Release - 延長サポートリリース)」というブランチを作成する案が有力とされている。案の詳細は「Enterprise/Firefox/ExtendedSupport:Proposal」に詳しい。特に次の2つの図がESRを端的に表現しておりわかりやすい。

Enterprise/Firefox/ExtendedSupport:Proposalより抜粋 その1

Enterprise/Firefox/ExtendedSupport:Proposalより抜粋 その2

ESRは30週間おきにFirefoxのメジャーリリースから派生し、そこから30週間のサポートを提供するもの、ということになる。たとえばこれから6週間おきに実施されるFirefoxリリースとESRを関連付けると次のようになる。

Firefox ESR1 ESR2 ESR3
Firefox 8 ESR 8
Firefox 9 ESR 8.0.1
Firefox 10 ESR 8.0.2
Firefox 11 ESR 8.0.3
Firefox 12 ESR 8.0.4
Firefox 13 ESR 8.0.5 ESR 13
Firefox 14 ESR 8.0.6 EST 13.0.1
Firefox 15 ESR 13.0.2
Firefox 16 ESR 13.0.3
Firefox 17 ESR 13.0.4
Firefox 18 ESR 13.0.5 ESR 18
Firefox 19 ESR 13.0.6 ESR 18.0.1
Firefox 20 ESR 18.0.2
Firefox 21 ESR 18.0.3
Firefox 22 ESR 18.0.4

通常のユーザは6週間おきのアップグレードとなるが、エンタープライズでは平均して30週間のアップグレードとなる。1ヶ月半ごとにアップグレードするのと比べれば、アップグレードの周期は7ヶ月ほどで良いことになり、エンタープライズユースでは現状よりも現実的なアップグレード周期になるといえる。

エンタープライズ向け用途に適応するための方式が最終的にどういったものになるかはまだ不透明だが、短周期リリースを実施しながら、かつ、エンタープライズ向けの要望にも応える案が提示されたことは興味深い。早ければFirefox 8または9からESRの提供が開始される可能性もある。