ジェイズ、MAGシリーズにおけるiPhone/iPadのSSL VPN認証を強化

ジェイズ・コミュニケーションとファルコンシステムコンサルティング は9月5日、ジェイズ・コミュニケーションが取り扱うJuniper NetworksのSSL VPN/NACアプライアンス「MAGシリーズ」と、ファルコンが開発した認証製品「WisePoint Authenticator」の連携動作検証を完了したと発表した。

今回、iOSにも対応した統合型マルチサービス・ネットワーク・クライアント「Junos Pulse」とWisePoint Authenticatorの動作検証が実施された。これにより、iPhone/iPadを用いて、MAGシリーズを介してSSL VPNで接続する際に、イメージングマトリクス認証 /マトリクスコード認証/携帯電話の個体ID認証といったWisePoint Authenticatorの多彩な認証機能が利用できるようになった。

ジェイズ・コミュニケーション 執行役員 技術本部長の中村時彦氏は、「東日本大震災後、リモートアクセスに対するニーズが高まっている。そうしたなか、リモートアクセスの認証に対し、強化する必要が生じている一方で、使いやすさやシンプルさが求められている。今回、発表したソリューションは本人認証を強化し、企業のニーズにこたえるもの」と、今回の検証が行われた背景について説明した。

ファルコンシステムコンサルティング 代表取締役社長を務める高橋正廸氏も同様に、「国内企業を取り巻く環境を踏まえる後、リモートアクセスの重要性は高まるばかり。特に、スマートデバイスによるモバイルアクセスにおける認証が必要となっている。こうした背景を踏まえ、WisePoint Authenticatorでは8月にiPhone/iPadの個体識別認証に対応した」と、リモートアクセスにおける認証の重要性の高まりについてアピールした。

ジェイズ・コミュニケーション マーケティング部長の來徳雄達氏からは今後の戦略に関する説明がなされた。プロモーションとしては、東京・大阪でセミナーを開催するとともに、販売促進キャンペーンを実施する。これにより、MAGシリーズとWisePoint Authenticatorを同時に発注すると、「定価の半額以下で購入が可能」(同氏)になるという。

技術的には、MAGシリーズのSAML 2.0との連携機能を用いて、Google AppsなどのSAML連携が可能なクラウドサービスにおけるシングルサインオンの提供が予定されている。「モバイルデバイスからクラウドサービスにアクセスする際に、企業のセキュリティポイントを必ず通過させるようにすることで、リモートアクセス時のセキュリティが強化されるとともに、アクセス権の強化も図ることができる」と同氏。

さらに、クラウド上にMAGシリーズやWisePoint Authenticatorを設置して、認証サービスを提供するといった製品展開も考えているという。

あわせて、ジェイズ・コミュニケーションは同日、Juniper NetworksのSSL VPN/NACアプライアンス「MAG4610 Junos Pulseゲートウェイ」の販売をパートナー企業を通じて開始することも発表した。

同製品の特徴は1Uの高さながらラックサイズは2分の1とコンパクトな筐体。1台で最大1,000ユーザの接続を処理することができ、従来モデル「SA4500」の定格電力が300Wであるのに対し70Wと4分の1以下の消費電力減を実現している。

これまでSAシリーズに提供されてきた「In Case of Emergency」ライセンスがMAGシリーズでも提供されるようになった。ICEライセンスは災害や交通ストライキ、伝染病の蔓延など、さまざまな理由で多くの従業員の出社が困難となった場合、一時的に利用中のMAGシリーズの上限(MAG4610であれば1,000同時接続)まで制限を緩和できるライセンス。