ニューヨーク連邦地方裁判所は8月22日(現地時間)、EMIらレコード会社数社が音楽ロッカーサービスを提供する米MP3tunesを相手に起こしていた著作権侵害訴訟に対する判決を出した。判事はMP3tunesは著作権侵害ではないとし、判決内容はMP3tunesに好意的な内容となった。

MP3tunesは、MP3.comを創業した起業家のMichael Robertson氏が2005年に立ち上げた音楽ストア。同社は、インターネット上のストレージサービスで楽曲を保管して好きなときに視聴できるロッカーサービスを提供している。

EMIは2007年11月、MP3tunesのサービスは著作権侵害として、14社とともに同社およびRobertson氏を提訴していた。

判事は今回、MP3tunesのサービスでは、ユーザーが楽曲のアップロードや管理に責任を持つことなどから、MP3tunes自身はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー条項で保護されると規定、MP3tunes側に好意的な判定を出した。

一方で、著作権所有者が申告したのにMP3tunes側が違法な素材を削除できなかった場合は、著作権侵害を促進することになる、とも述べた。

音楽ロッカーサービスは、米Amazonや米Googleが発表しており、MP3tunes対EMI訴訟の行方が注目されていた。米Appleも「iCloud」で参入を明らかにしている。