NECとNECトーキンは、建物や水道管・ガス管などのライフラインにおいて、電子機器などで発生する微小な異常振動を高精度で検知し、ひび割れなどの劣化状況の見える化を可能にする圧電振動センサを開発したと発表した。このセンサはNECトーキンにおいて、8月から生産が開始される予定。

圧電振動センサ

このセンサは、従来比20倍の高感度で広い周波数帯域の振動を検知できる振動センサで、セラミックス材料の組成の改良、ならびに独自の振動拡大機構の採用により、微小な振動を電気信号に効率よく変換することが可能になったという。

電子機器の動作異常や、建物、水道管などの摩擦、ガタつき、ひび割れが発生する際、幅広い周波数の微小振動が起こるが、これらの振動を解析するためには従来、収集できる周波数帯域の異なるセンサが複数必要だったという。

しかし、今回開発されたセンサを使うことで、建物などの劣化状況をリアルタイムに把握することが1つのセンサで行え、NECが培ってきた振動波形解析技術を利用することにより、劣化の予兆を見える化することが可能となるという。

両社では今後、ネットワークを介したクラウド環境を用いて振動センサから得られるデータを解析することで、劣化予兆の効率的な遠隔監視を実現するシステムの開発など、この技術を応用した技術・製品開発に取り組んでいくという。