Photovineアプリ

米Photovineは7月13日(現地時間)、iOSデバイス向けに「Photovine」アプリのv1.0を公開した。Photovineとは写真共有型のソーシャルネットワークサービス(SNS)で、複数の写真をグルーピングしてキャプションとともに複数ユーザーでの共有が可能になる点が特徴。現在は招待制を採用しており、一般ユーザーには開放されていない。アプリ自体は無料であり、Photovine本体のサービスアカウントさえあれば利用可能。

ショートメッセージのテキスト中心なTwitterに対し、Photovine (フォトバイン)はInstagramなどと同様に写真特化型のSNSという点で特徴がある。アップロードされた写真は「Vine」(バイン: ぶどうの房のこと)という単位でグルーピングされ、写真の説明書き(キャプション)とともに複数のユーザーで共有できる。Instagramがトイカメラ機能を使って友人内でのタイムラインを追いかけるサービスであるとすれば、こちらは写真アルバムを手軽に共有するタイプのサービスであるといえるかもしれない。

なお興味深いのは、Photovineというサービスのバックグラウンドだ。同サイトのAbout usなどの項目を参照すると、Slideという企業が運営していると記載されている。CrunchBaseによれば、SlideはPayPal共同創業者のMax Levchin氏によって設立された企業で、現在はGoogle傘下となっている。つまり、運営母体としては100% Google資本のサービスということだ。6月ごろにはGoogleが「Photovine.com」のドメイン名と「Photovine」の商標登録申請を行ったことが話題になっている一方で、Googleは同サービス提供において自身の名前をプッシュしておらず、サイト内でも先ほどのAbout usの項目以外での記載はない。SNSのサービス展開ではFacebookをはじめとする新興企業の後手にまわっており、やや閉塞感もあるGoogleだが、あえてGoogle資本ながらそれとは切り離した形で新サービスを秘密裏にスタートするあたり、非常に実験的で現状打破を狙う意欲が伝わってきて面白い。なおGoogleのサービスにもかかわらず、今回はiOSアプリのみが提供されており、Android版は用意されていない。このあたりも非常に興味深いところだ。