リコーとHOYAは、リコーによるHOYAのPENTAXイメージング・システム事業の買収について合意し、契約を締結したと発表した。今後リコーはデジタルカメラ等製品の一部において、またHOYAは内視鏡等において、ともにPENTAXブランドを使用する。

HOYAは、2008年3月31日付でPENTAXイメージング・システム事業をペンタックスより譲り受け、吸収合併していた。

HOYAが6月23日に発表した「Qマウント」採用の小型デジタル一眼カメラ「PENTAX Q」

買収方法としては、HOYAが新設する子会社にPENTAXイメージング・システム事業を吸収分割および事業譲渡により承継させ、リコーがその新設会社の発行済株式の100%を取得する方法で行う。経営権移転後も、リコーは完全子会社としての事業運営を行う予定。

リコーが今回、PENTAXイメージング・システム事業を買収する狙いは、コンシューマ事業の強化。競争環境の厳しさを増しているデジタルカメラ市場において、今後成長が期待されるレンズ交換式カメラでの事業強化を図る。そして、写真を見る、保管・加工する、コミュニケーションツールとして活用するといった付加価値サービス事業の創出、拡大を図るほか、中判デジタルカメラなどを用いた、イメージ・アーカイビング事業への参入を検討するという。

また、グローバル市場をにらんで、デジタルカメラのみならず、ビデオ会議システム、ネットワークアプライアンス端末など、よりコンシューマにフォーカスした商品サービスをユーザーに提供したいという狙いもある。

一方、HOYAは経営資源の選択・集中に取り組む一環として、本事業をリコーに譲渡する。

なお、PENTAXイメージング・システム事業以外のデジタルカメラモジュール、DVD用ピックアップレンズ、内視鏡、人工骨、音声合成ソフトウェアの各事業は、HOYAが引き続き展開していくという。