米Microsoftは6月30日 (現地時間)、Androidを搭載したタブレット端末に関してオンキヨーと特許ライセンス契約を結んだと発表した。Microsoftは合意に基づいた特許使用料をオンキヨーから受け取るが、金額を含む合意内容の詳細は明らかにしていない。
MicrosoftがAndroid関連の特許ライセンス契約締結を発表するのは、今週に入ってオンキヨーで3件目になる。27日にGeneral Dynamics Itronixと、29日にVelocity Microとの合意を発表していた。
GoogleはLinuxベースのAndroidを無料(フリー)で使えるオープンなプラットフォームとして展開しているが、だからといって特許問題フリーではないのが現状だ。いくつかの企業がAndroidで使用されている技術の特許権を主張しており、Microsoftがその1つである。
MSのAndroidからの収入はWindows Phoneの5倍!?
今週の3件の契約は比較的小規模なAndroid端末メーカーとの合意だが、2010年4月にMicrosoftはAndroid搭載スマートフォンで急成長した台湾のHTCと特許ライセンス契約を結んでいる。この契約内容について、今年5月にCitiのアナリストであるWalter Pritchard氏がレポートの中で、MicrosoftがHTCのAndroid搭載スマートフォン1台あたり5ドルを受け取っていると推測。さらに他のAndroid搭載端末メーカーに対して1台あたり7.50ドル-12.50ドルの特許使用料の支払いを求めていると指摘して大きな話題になった。
asymcoによると、HTCのAndroid搭載スマートフォンの推定販売台数は3,000万台で、Microsoftが受け取る特許使用料を1台あたり5ドルで計算すると累計1億5,000万ドルになる。一方Windows Phoneの販売数は200万ライセンスで、ライセンス料を15ドルと推定して計算すると、Windows PhoneからのMicrosoftの収入は3,000万ドル。「MicrosoftはWindows Phoneの5倍の収入をAndroidから受け取っている」とasymco。
すでにAndroidに関する特許ライセンス市場は非常に大きく、特許権を主張する企業が今後さらにAndroid採用メーカーに対するロイヤルティ支払いの追及を強めていくことが予想される。契約に応じるメーカーが増加すれば、無料というAndroidのメリットが不透明なものになるだけに、GoogleやOpen Handset Allianceの対応が注目される。