米GoogleがWebアプリストア「Chrome Web Store」にアプリ内課金を用意した。開発者カンファレンスGoogle I/Oでプレビューを披露し、アプリ内課金における同社の取り分を5%に抑えたと発表すると会場から大きな拍手がわき起こった。

Chrome Web Storeは、Webアプリの利用促進を目的にGoogleが用意したオンラインストアだ。1カ所でWebアプリを検索・ダウンロード入手できる場所であり、またChromeユーザーにWebアプリをネイティブアプリのように使用できる仕組みをもたらす。

Webアプリなので、Chrome Web Storeで配信されているWebアプリはChrome以外のモダンブラウザからもアクセスして使用することができる。しかしながら、ネイティブアプリのように一連の流れで導入・使用できる容易さがユーザーに受け入れられている模様だ。Googleによると、昨年12月に米国で同ストアをオープンして以来、3カ月で1700万件のWebアプリのインストールが実行され、同ストアから入手した場合のWebアプリの使用時間は従来の2倍だという。アプリ内課金も、このChrome Web Storeの特長を反映した仕組みになっており、ユーザーがWebアプリを使用する流れの中でコンテンツやサービスなどを追加購入できる。Google I/Oの基調講演では、デジタルコミックアプリ「Graphicly Comics」で、サンプルページを読みながら、そのまま2クリックでコミック全体を購入できるデモが披露された。

Webアプリ開発者はわずかなコードを追加するだけでアプリ内課金のAPIにアクセスできる。費用は売上げの5%(Googleの取り分)のみで、月額使用料やライセンス費など他の費用は一切かからない。モバイルアプリで一般的なストア側の30%の取り分と単純に比較できないものの、Googleが主張する通りChrome Web Storeの使いやすさがユーザーに受け入れられているならば、同ストアに参入する開発者が増えそうだ。Webアプリの品揃えが充実すれば、Chromeユーザーの拡大や他のブラウザへのChrome Web Storeの拡大など良循環への発展が起こり得る。

2つのコードでアプリ内課金のAPIにアクセス

アプリ内課金の開発者側の費用は売上げの5%のみ

Googleはまた、無料アプリの配信に関してChrome Web Storeの提供を日本語を含む41言語に拡大したことを明かした。グローバル規模ですべてのChromeユーザーをカバーしており、市場の拡大も開発者を引きつける要因の1つになった。