シャープは2月22日、電気自動車に搭載されている駆動用バッテリーを住宅用の蓄電池として利用できる「インテリジェントパワーコンディショナ」を開発したと発表した。今後は実証実験を重ね、早期の実用化を目指すという。

インテリジェントパワーコンディショナ

今回発表されたインテリジェントパワーコンディショナは、太陽電池や蓄電池を系統電力と連携させて、住宅に安定した電力を供給するためのもの。同社が太陽光発電システム用パワーコンディショナの開発で培った電力制御技術を活用している。将来のDC(直流)家電の普及を見込み、直流電力の供給も可能になっている。

このインテリジェントパワーコンディショナでは、蓄電池部分に電気自動車の駆動用バッテリーを利用することが可能で、実証実験ではすでに、三菱自動車工業の電気自動車「i-MiEV」の駆動用バッテリーから8kWの電力を供給することに成功している。また、インテリジェントパワーコンディショナから電気自動車の駆動用バッテリーに対して給電することも可能で、i-MiEVに対して4kWhのエネルギーを約30分で充電できたという。

シャープでは、家庭内で使用する電力の省エネ化を実現する「エコハウス」に取り組んでおり、これを具現化するための技術テーマとして、太陽電池、蓄電池、直流家電(DC家電)の3つを挙げている。このうち、蓄電池に関しては、太陽電池発電が不可能な夜間などに電力を供給するために、日中に発電したエネルギーを一時的に蓄えておくなどの役割を果たす。

エコハウス構想の概念図