仏INSIDE Secureは2月7日(現地時間)、Android向けのNFC(近距離無線通信)プロトコルスタック「Open NFC 4.2」を発表した。2月末に、オープンソースとして無償公開する予定だ。

INSIDE Secureはスマートカードリーダーなどの半導体ソリューションを開発するベンダー。Open NFCは同社が2010年に発表したオープンソースのNFCプロトコルスタックで、最新版はAndroid向けに設計されたバージョンとなる。NFCは近距離での双方向通信が可能になり、おサイフや乗車券としての用途のほか、ポスターなどにかざして製品情報を取得する、対応端末同士で情報を交換するなどの利用が可能となる。

Open NFCは、ローレベルのRF制御、NFC Forum認定のタグ処理、PtoP通信、BluetoothとWi-Fiのペアリングなどの機能を持ち、「Felica」「Mifare」などISO 14443標準をベースとしたRFIDタグやスマートカードとの互換性もあるという。

特徴は、NFCハードウェアに依存しない点。米Googleは「Android 2.3」(Gingerbread)でNFCに対応したが、INSIDE Secureによると、通常のNFCスタックは特定ハードウェア(NXP Semiconductors)向けのコードを組み込んでおり、さまざまなNFCコントローラーに対応させるには書き直しの必要があるという。Open NFCは軽量のソフトウェアレイヤとして容易に導入でき、NFCチップベンダー、スマートフォンメーカー、それに開発者は開発の手間とコストを削減できるとしている。

Open NFCはApache License 2.0の下、2月中にロイヤリティフリーで公開される予定だ。