IntelやAdvanced Micro Devices (AMD)、Dell、Lenovo、Samsung Electronics LCD Business、LG Displayの6社は共同で12月8日(米国時間)、VGAなどのアナログディスプレイインタフェースを2015年までにも廃止し、DisplayPortやHDMIといった省電力で高速、よりコネクタ形状のスリムなインタフェースで置き換えていく計画を発表した。
VGAはここ20年以上にわたってPCの世界で広く採用されてきたインタフェースで、大画面ディスプレイが主流になる現在まで、多くのPCの標準画像出力として採用が続いている。またVGAほどメジャーではないものの、1990年代後半から利用が進み始めた規格として「LVDS (Low Voltage Differential Signaling)」があり、主に液晶ディスプレイ向けのインタフェースとして知られている。これらアナログ時代のインタフェースをDisplayPortやHDMIで順次置き換え、レガシー技術共存における問題を回避しつつ、今後より新しい技術投資が可能な体制を築くのが狙いとなる。
Intelによれば、同社は2013年にLVDSを、2015年にVGAインタフェースのサポートを中止する計画だという。AMDはそれより幾分か早く、2013年にLVDSを完全撤廃し、VGAについては2013年から一部製品ラインでの採用を終了し、2015年までに全製品ラインに拡大していく。ただ移行期での混乱が予想されるため、PCメーカーらはDisplayPortからVGAやDVIへのアダプタによる信号変換を可能にする仕組みを提供するとともに、1つのディスプレイインタフェースから複数の外部モニターへの出力を可能にする新機能を提供する計画だという。一方でディスプレイメーカーらはすでにDisplayPortやHDMIを搭載した製品を出荷しており、こうした移行をサポートしている。
今日、ノートPCでのVGAサポートの最も大きな理由は客先でのプレゼンテーションやプロジェクターとの接続にあるとみられるが、今後こうした変革の中でどのように混乱を回避し、ユーザーのニーズを汲み取っていくかが気になるポイントだ。