Texas Instruments(TI)は、同社の新しいDSPシリーズとして「TMS320C66x」を発表した。

今回新しく発表された4種類のC66xマルチコアDSPは、同社の従来製品を大きく上回る性能を持つマルチコア構成である。C66xは複数の1.25GHz駆動DSPコアを持ち、1チップ・8コア(10GHz駆動相当)の場合で320GMACと、固定/浮動小数点で160GFLOPSの演算性能を持つ。同時に発表されたニュースによれば、BDTIによるBDTImark2000ベンチマークの結果は10,720のスコアを得ており、これは同社が従来テストした全てのDSPコアの中でもっとも高い(従来の最高スコアの2倍以上)数値となっている。また同じくBDTIの固定小数点演算に関するDSP Kernel Benchmarkの結果も、従来のどのDPSコアよりも高い16,690を記録したことがアナウンスされた。

C66xマルチコアDSPは、宇宙防衛や医療/ハイエンド画像処理/テストシステム/HPC/ネットワークなど幅広い用途に適したものである。C66xマルチコアDSPはピン互換を保った2/4/8コアの「TMS320C6672」、「TMS320C6674」、「TMS320C6678」の3製品の他、4コアを内蔵したSoCの「TMS320C6670」が用意される。

今回発表のDSPコアは従来の「TMS320C6000」DSPシリーズとソフトウェア互換性が保たれる。また開発ソフトウェアとして無償のMC-SDK(MultiCore Software Developer's Kit)も用意される。

開発及び評価用に、TIはEVM(EValuation Modules)を用意している。TMDXEVM6670L(TMS320C6670搭載)及びTMDXEVM6678L(TMS320C6678搭載)は何れも399ドルで、ここにはmC-SDKの他Code Composer Studioとアプリケーション/デモコードが付属する。

これらのEVMは既にオーダー可能だが出荷は2011年第1四半期を予定している。またC66xマルチコアDSPは1000個あたりの価格で99ドルからとなっており、こちらも既にオーダー可能だが出荷は2011年第1四半期を予定している。