Tektronixの日本法人である日本テクトロニクスは、機能、性能を強化したエントリーモデルのオシロスコープ「TDS2000Cシリーズ」を発表した。

エントリーモデルのオシロスコープ「TDS2000Cシリーズ」

従来のTDS2000シリーズは、デジタル・リアルタイム・サンプリング、解析機能、直感的な操作により幅広い分野で用いられてきたオシロスコープとなっており、同Cシリーズはその後継シリーズとなる。

周波数帯域は50MHzから200MHzまで、2チャネルまたは4チャネルが選択でき、既存機種に比べて性能向上が図られている。シリーズラインアップのうち2機種は、周波数帯域が60MHzから70MHzに向上、さらに100MHz帯域をもつ2機種は、サンプリング・レートが1GSpsから2GSpsに向上している。

また、全機種共通でUSBポートを装備。自動測定項目は16種類に強化され、新たにデータ・ロギングやリミット・テスト機能が追加された。データ・ロギング機能は、トリガ条件を設定するだけで、トリガ波形をタイムスタンプ情報とともに最長8時間まで、30分間隔のユーザ設定した時間でUSBメモリに保存することが可能だ。これは、デバイスの特性評価、ストレス・テストのために長時間監視しなければならないようなアプリケーションに適しており、測定結果を保存して後から解析することができると同社では説明している。。

一方のリミット・テスト機能は製造アプリケーションに適しており、あらかじめ設定したマスクから信号が外れた場合、ただちに製造ライン・オペレータに警告を発して異常を知らせることができるようになるというもの。これにより測定データを常に監視し、規定リミット値と測定データを逐一比較するといった作業を削減することが可能となる。

さらに、デジタル・リアルタイム・サンプリングを採用しており、全チャネルで10倍以上のオーバーサンプリングを実現している。これにより利用チャネル数が増えてもサンプリング・レートが低下しないため、全チャネルでオシロスコープ全帯域まで正確に信号を取り込むことができるようになっている。

これら高性能なオシロスコープにも搭載されている機能なども搭載しながら、価格は従来の低価格モデルに比べても安い構成を実現。例えば50MHz帯域、2チャネル機種の製品では従来品比で30%程度安い11万8000円(税別)からの価格構成としている。