フュージョンアイオーは10月15日、米Fusion-io COOのランス・スミス氏、ワールドワイド・セールス シニア・バイスプレジデントのジム・ドーソン氏の来日に合わせて、記者説明会を開催した。説明会では、両氏が同社の製品の特徴について解説したほか、デルよりFusion-io製品を搭載した同社サーバの検証結果が発表された。

米Fusion-io COO ランス・スミス氏

同社は、PCI Expressカード型SSD「ioDrive」と「ioDrive Duo」を開発・提供を行っている。両製品の特徴はNANDフラッシュメモリを搭載することで、ストレージにおけるI/O処理のボトルネックを解消している点だ。

スミス氏は、同社の製品はNANDフラッシュメモリが抱える「データの書き込み回数に限界がある」、「データロスのおそれがある」、「データが誤って書き換えられるおそれがある」といった課題を解決していると説明した。

「われわれはNANDフラッシュメモリの課題を解決するため、革新的なアーキテクチャを構築した。具体的な機能としては、障害時にデータのロスを抑えるなどして信頼性を向上する"フラッシュバックテクノロジー"、データの整合性を確保する"エラー訂正機能"がある。また、PCIとNANDフラッシュメモリがネイティブに接続しているため、処理速度が速い」

例えば、容量が160GBの「Fusion-io ioDrive 160GB」は読み込み帯域幅が毎秒750MB、書き込み帯域幅が毎秒670MB、また、容量が640GBの「Fusion-io ioDrive 640GB」は読み込み帯域幅が毎秒1.4GB、書き込み帯域幅が毎秒1.0GBと、非常に高速だ。同氏は「SANアレイの30倍のスピード」とアピールする。

Fusion-ioのアーキテクチャ。ioメモリコントローラ内にデータパスが構成されており、さらにデータパスコントローラにさまざまな機能が含まれている

米Fusion-io ワールドワイド・セールス シニア・バイスプレジデント ジム・ドーソン氏

そのほかの同社のアーキテクチャのメリットとして、「自己修復」、「データを安全に保ちながら電力を削減」、「低いレイテンシー」などが挙げられた。

ドーソン氏は、Fusion-ioとデルのパートナーシップについて、「デルの創立者であるマイケル・デル氏は早い段階から当社のポテンシャルを見抜き、投資をしてくれた。最近、その成果として、OEM製品がリリースされた」と説明した。

同氏は加えて、「1987年の時点ではCPUとハードディスクの処理速度は同じだったが、1997年にはCPUのパフォーマンスはハードディスクの25倍となり、とうとう2009年にはCPUのパフォーマンスは600倍となった。つまり、ストレージのスピードがCPUに追いつかなくなっており、それゆえ、利用できる容量も減ってしまっている。われわれはこのギャップを埋めるべく、ioDriveを開発している」と、同社の製品の意義について語った。

デル ラージ エンタープライズ マーケティング ジャパン・マーケティング本部 サーバ ・マーケティング マネージャ 一志達也氏

デル ラージ エンタープライズ マーケティング ジャパン・マーケティング本部 サーバ ・マーケティング マネージャの一志達也氏からは、Fusion-io ioDrive Duo 320GB SLCを搭載した同社のサーバ「Dell PowerEdge R810」におけるSQL Serverの検証結果が発表された。

「現在のサーバビジネスにおいて、ハードディスクの性能よりもプロセッサの性能のほうが高いので、ユーザーが最低限の性能のプロセッサを選択する傾向が高く、ハイエンドのCPUを選ぶユーザーが減ってしまったところが悩ましい」と同氏。

SQL Serverの処理について、すべてハードディスクで行った場合、トランザクションログ領域のみをSSDで行った場合、すべてSSDで行った場合の3つのパターンで比較したところ、すべてSSDで処理した場合の性能が最も高いことがわかった。「もっと性能のよいCPUを使えば、さらによい結果が出るはず」と、同氏は語った。

、Fusion-io ioDrive Duo 320GB SLCを搭載した「Dell PowerEdge R810」におけるSQL Serverの検証結果