Nokiaの新CEOに就任するStephen Elop氏

世界最大手の携帯電話メーカーのNokia(フィンランド)は9月10日(現地時間)、自社取締役会が次期CEO兼社長としてStephen Elop氏を任命したことを発表した。Elopは現在、米Microsoftでビジネス部門を率いており、現在CEOを務めるOlli-Pekka Kallasvuo氏に代わって9月21日にNokia CEOに就任する。

Nokiaの代表取締役会長 Jorma Ollila氏は今回の決断について、「Nokiaの成功のために、これまでとは違うスキルと強みを持つ執行力のある新しいリーダーを迎え入れる時期が来た」とコメントしている。

突然にみえるCEO交代だが、Nokiaは携帯電話最大の成長セグメントであるスマートフォン分野で、米Apple、米Googleなどを相手に苦戦しており、Kallasvuo氏退任のうわさは一部でされていた。

Kallasvuo氏は2006年にCEOに就任した。その後、通信機器事業を切り離し、独Siemensとの合弁企業Nokia Siemens Networksとして発足させた。携帯電話分野では2007年に地図データのNavteqを買収したり、インターネットサービス「Ovi」を立ち上げるなど、サービス分野を強化した。だが、主力事業の携帯電話ではハイエンドのスマートフォンでリーダー的な立場を取れず、課題とされてきた。この間、英Symbianを買収し非営利団体にしているが、Symbianは「Android」などにシェアを奪われている格好だ。

退任するOlli-Pekka Kallasvuo氏

現在、Nokiaの市場シェアは34.2%(2010年第2四半期、米Gartner調べ)。これは、1年前の36.8%からの減少となる。Nokiaのシェアは最盛期で約40%に達していたが、ここ数年減少傾向にある。

Elop氏は米Juniper Networks、米Adobe Systemsなどを経て、現在Microsoftでビジネス部門を率いている。カナダ出身で、Nokiaでは珍しい非フィンランド人のCEOとなる。

Kallasvuo氏は9月20日付けでCEO兼社長を辞するが、Nokia Siemens Networksの執行権のない取締役会長の座を維持する模様だ。