米Googleは8月30日(現地時間)、Gmailに送られてきたメールの中から重要なメールを自動的に選別する「Priority Inbox」(優先トレイ)のベータ提供を開始した。悪質なメールをユーザーの目に触れないようにする「Spam」(迷惑メール)機能とは逆に、ユーザーが読み逃してはいけないメールを目立たせるためにフィルター技術を活用している。

電子メールを長く使っていると、広告メールやニュースレターなど重要ではないメールが増えてくる。こうした迷惑メールではない不要メールが受信トレイ内に増えると、次第にメールを1つずつ開いていくのが面倒になり、重要なメールを見逃しやすくなる。優先トレイは、メールの山からユーザーが優先的に読むべきメールを選び出す。優先トレイ内のメールにまず目を通し、後で読み返したり、または返信する必要のあるメールにはスターを付けておき、残りの受信トレイ内のメールは時間があるときに確認するというように3段階で効率的に受信メールを管理できる。Google社内のテストでは、メール管理の時間が6%短縮したという。

優先トレイに入れられたメールは、標準状態では「未読メール」「スター付き」「その他のメール」の3つのセクションに分けて表示される

優先トレイの設定。優先トレイ内のセクションはユーザーの任意で変更可能(最大4つまで)

メールの優先度は、送信者、メッセージに含まれるキーワード、ユーザーのアクションなどを基に判別される。例えばユーザーが頻繁にメールを送る人や返信のやり取りが多い人からのメールは重要と見なされる。日頃サッカーに関するメールを常に開いていれば、"サッカー"が重要なキーワードとして認識される。メールにスターを付けたら、その後の判別において同じようなメールが優先されるようになり、逆に開かずにアーカイブしたら同種のメールの優先度が下がる。

優先トレイが有効な状態ではアクションバーに、重要度をマニュアルで上げ下げするボタンが表示される。優先トレイに入れたいメールには[+]ボタンを、優先トレイにそれほど重要ではないメールが紛れ込んでいたら[-]ボタンを押す。またフィルタを作成して、特定の条件のメールに確実に重要マークを付けたり、逆に重要マークが付かないようにすることも可能だ。このように重要度を修正し続けていくことで、時間とともに優先トレイの自動判別の精度が上がっていく。

優先トレイを有効にすると、重要度を上げ下げする[+]ボタン・[-]ボタンがアクションバーに現れる

優先トレイはGoogle Appsユーザーを含むすべてのGmailユーザーへのロールアウトが始まっており、1週間ほどですべてのユーザーが利用可能になるという。