LEGOのの日本法人レゴの教育事業部門「レゴ エデュケーション」は6月3日、再生可能なエネルギーを計測し体験的に学ぶことが可能なレゴブロック「レゴ エネルギーセット」を発表した。発売は2010年8月を予定しており、販売価格は1万4,490円となっている。

同セットは、「レゴ エネルギーメーター」「レゴ エネルギー貯蔵ユニット」「レゴ ソーラーパネル」「Eモーター」「ブレード6枚」、そして6種類のモデルの「組み立て説明書」が付属しており、「9686 レゴ サイエンス&テクノロジーモーター付基本セット」と組み合わせて使用する形となっている。

6種類のメインモデルは、「手回し発電機」「太陽光発電」「風力発電」「ソーラーカー」「水力発電」「ボート滑車」となっており、新学習指導要領に対応。対応しているのは、小学校4年生では「光電池の働き」「力と圧力(水力を含む)」、小学校6年生では「発電・蓄電」、中学校3年生理科「さまざまなエネルギーとその変換」「エネルギー資源」「科学技術の発展」「自然環境の保全と科学技術の利用」「仕事とエネルギー」、そして中学校技術科の「エネルギー変換に関する技術」となっているほか、マインドストームNXTと組み合わせることで、より高度な学習にも活用することができるようになっている。

「レゴ エネルギーセット」を使って組み立てたもの各種

セットに含まれるパーツの中で特筆すべきなのは核となる「エネルギーメーターで、入出力されているV、A、W量を別々に一目で判別することが可能なインタフェースを採用。中心にはリチウムイオン電池に貯められているエネルギー(仕事量:最大100J)を表示でき、どの程度の仕事でどれくらい消費したかを直感的に理解することが可能だ。

エネルギーメーターのLCD画面。上が入力側、下が出力側の値が表示される

日本大学 理工学部教授の青木義男氏

また、同発表会には日本大学 理工学部教授の青木義男氏も出席、宇宙エレベータに関しての説明を行ったうえで、玉川学園サイエンスクラブ9名(7年生7名、8年生2名)による今回のエネルギーセットで作られた宇宙エレベータのデモが実演された。

デモはコンセプトが異なる3台のエレベータを用いて行われ、それぞれ満タン状態(100J)から基点から頂上までの往復をどれだけ効率良くできるかというもの。1台目が68J、2台目が64J、3台目が35Jとなった。1台目は、入力側にもモーターからケーブルを接続、いわゆる回生ブレーキにより発生する電気エネルギーを活用することで電力の消費を抑えるなどの工夫が施されているが、作った生徒達はこうした概念を知らずに、自らそうしたことに気づき、その技術を実現して見せた。

玉川学園サイエンスクラブが作った3台の地球エレベータの内の1台。回生エネルギーによる最少エネルギー消費を達成するとともに最速ラップも叩き出した

レゴ エデュケーションの教育理念は「子供達の自発的な学びは遊びから生まれる」(レゴ エデュケーション日本代表の須藤みゆき氏)だが、それは「Learning by Making(作ることで学ぶ)」「Playful Learning(遊びながら学ぶ)」「Creative Problem Solving(創造的な問題解決力を育む)」の3つのポイントから構成される。

レゴ エデュケーション日本代表の須藤みゆき氏。手にしているのは風力発電モデルに組まれた「レゴ エネルギーセット」

玉川学院の宇宙エレベータのデモでは、こうした自発的な取り組みから、まさに回生エネルギーを活用することに気が付いたわけで、正にレゴが目指すことを実践して見せた結果となった。

なお同セットの販売と合わせて、教師用ガイドも販売される予定。価格は7080円で、組み立て説明書や生徒へ配るためのワークシート、教師向けの豆知識などが入っており、須藤氏は、「こうした教材を通じてグローバルに活躍できる想像力、創造力、問題解決力、イノベーション力を育んでいきたい」と目標と語った。