外務省は6月1日、2010年2月から3月にかけて米国において実施した対日世論調査の結果を発表した。同発表によると、アジアにおける米国の最も重要なパートナーを問う質問において、有識者の部で「日本」としたのは36%で「中国」(56%)に次いで2位となった。

同調査は、18歳以上の1,201名を対象とした「一般の部」、各界政官財・学術・マスコミ・宗教・労働関係などにおいて指導的立場にある202名を対象とした「有識者の部」に分けて、電話で行ったもの。

日本に対する信頼性については、一般の部で79%、有識者の部で90%と、昨年とほぼ同様の高い数値となった。また、日米協力関係を「極めて良好」または「良好」という回答の割合も、一般の部で72%、有識者の部で86%と高い数値が示された。日米間の相互理解が「良好」と回答した割合は、一般の部で43%、有識者の部で32%だった。

アジアにおける米国の最も重要なパートナーはどの国かを聞く質問の回答は、一般の部で「日本」と「中国」と同率で最も多く44%だった。ただし、有識者の部で「日本」と回答したのは36%で、「中国」次いで第2位となった。

日本はこれまで20年近く、同調査の有識者の部でアジアにおける米国の最も重要なパートナーの第1位の座を維持していたが、その座から陥落した格好だ。

アジアにおける米国の最も重要なパートナー(一般の部) 資料:外務省

アジアにおける米国の最も重要なパートナー(有識者の部) 資料:外務省

日米安保条約については、「維持すべき」という回答が一般の部で90&、有識者の部で86%となり、同調査開始以来の高い数値となった。また、日米安保条約が日本・極東の平和と安定に「非常に貢献している」「やや貢献している」という回答は一般の部では81%、有識者の部では85%を示し、日米安保条約が米国自身の安全保障にとって「極めて重要である」「ある程度重要である」という回答は一般の部で88%、有識者の部で89%となり、日米安保体制については全体的に高い評価が示された。