LSIの3次元積層技術を推進している東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構 WOW(Wafer-on-Wafer)アライアンスは、台湾工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute:ITRI)との共同研究に合意したことを明らかにした。

これまで東京大学大学院工学系研究科とITRIは学術交流に関する協定を締結しており、今回の共同研究は先端半導体の実用化研究としては、はじめての試みとなる。

WOWアライアンスは、低価格な3次元LSIの量産に向けた共同研究プロジェクトで、2009年のIEDM 2009でも、同アライアンスの積層方式を活用することで厚さ7μmに薄化した300mmウェハ上に構築された45nm CMOSロジックで、電気特性に問題が無いことを報告している。

今回の共同研究は、ITRIの3次元実装コンソーシアム「Ad-STAC(Advanced Stacked-System Technolgy and Application Consortium」でWOWアライアンス提案の3次元積層を実施するもので、国際連携と開発加速を意識した両者の思惑が合致したものとなっている。

Ad-STACの保有する300mmウェハ対応試作ラインには、Applied Materials(AMAT)や独SUSSなどの半導体製造装置メーカーも参加している。

なお、東大では、今後の半導体における新技術研究開発ではアジアの連携が要になるとしており、WOWアライアンスとAd-STACKの連携を皮切りに、今後は韓国との連携も視野に入れた活動をしていく予定としている。