ルネサス テクノロジは2月25日、経営基盤の強化に向け3月1日付けでグループ事業を再編することを発表した。

同再編に対しルネサスでは、「ルネサスとグループ会社の事業のあり方を見直し、技術・人材・資産などの経営リソースをより適正に配置することで、グループ全体の経営効率向上と総合力を強化し、さらには市場の変動に耐えうる強固な経営基盤を確立する」と説明している。

再編されるグループ事業は「設計業務」「設計支援業務」「製造エンジニアリング業務」「製造支援業務」の4つ。

設計業務としては、現在、半導体製品の設計を、ルネサス本体とルネサス北日本セミコンダクタ、ルネサス東日本セミコンダクタ、およびルネサスデザインが担当してるが、再編に伴い、グループ会社の設計業務を、3月1日付でルネサスデザインに集約。同社を製品設計の中核会社として位置付け、3社の設計リソースを集約することで、技術・業務プロセスの共有化によるシナジー効果創出と設計者のレベルアップを図り、ルネサスグループ全体としての設計力を強化するという。

設計支援業務としては、ルネサスの各設計拠点(武蔵、北伊丹、高崎地区)において、体制強化を図るために、各地区に所在する既存のグループ会社の業容を強化・拡大し、3月1日付で新体制を発足させる計画。武蔵地区では小平セミコンがルネサス武蔵エンジニアリングサービスに、北伊丹地区ではルネサスクオリティエンジニアリングがルネサス北伊丹エンジニアリングサービスに、それぞれ社名変更を実施するほか、高崎地区では、既存の高崎セミコンを前身として、ルネサス高崎エンジニアリングサービスを新設、高崎セミコンなどから業務移管を実施する計画。こうした既存事業の強化と設計支援・IT・品質保証業務などの拡充を行うことで、各設計拠点に密着した効率的な設計支援の提供が可能になるとしている。

製造エンジニアリング業務としては、現在、ルネサス本体とルネサス東日本セミコンダクタ、ルネサス那珂セミコンダクタ、ルネサスデザイン、およびルネサスセミコンダクタエンジニアリングが担当しているが、今回の再編に伴い、グループ会社の製造エンジニアリング業務を、3月1日付でルネサスセミコンダクタエンジニアリングに集約。同社を製造エンジニアリングの中核会社とし、生産技術を蓄積・一元化することで、業務効率化と技術強化、コスト競争力向上を図るとする。

製造支援業務としては、ルネサス本体の前工程生産拠点(高崎、甲府、那珂地区)において、各拠点に密着した製造支援・ユーティリティ管理業務を担うために、各地区に所在する既存のグループ会社の業容を強化・拡大し、3月1日付で新体制を発足させる。高崎地区では、設計サポート業務を担うルネサス高崎エンジニアリングサービスに製造支援・ユーティリティ管理業務も併せて集約。甲府地区では、ルネサスハイクオリティーズがルネサス甲府セミコンダクタに社名変更し、那珂地区では、ルネサス那珂セミコンダクタが継続して、それぞれ既存事業の強化と製造支援・ユーティリティ管理業務などの拡充を行うことで、従来以上の円滑な拠点運営と製造コスト低減に結び付けたいとしている。

なお、ルネサス テクノロジはNECエレクトロニクスと2010年4月1日を予定日とした合併契約を締結しており、4月1日以降は新会社「ルネサス エレクトロニクス」として両社の事業を統合した運営がなされる見込みである。