NEC Electronics Europeは、同社の「78K0R/Lx3」を搭載した「SENSE IT! 開発キット」および同「78K0/IX2」を搭載した「Lighting Communications Demonstrationキット」をそれぞれ発表した。

「SENSE IT! 開発キット」

「Lighting Communications Demonstrationキット」

SENSE IT! 開発キットは、同社の16bit MCUであり、LCDドライバー内蔵した78K0R/Lx3を搭載したシングルボード評価キットであり、携帯型医療機器やビルオートメーションの管理パネル、産業用機械の制御インタフェースなどをターゲットとした製品である。78K0R/Lx3は20MHzで25.4 DMIPSの処理能力を持ちつつ、1MHz駆動時には0.19mA、Stop Modeで0.9μA、Halt ModeではRTCを動作させながらも0.37μAの低消費電流を実現する。

LCDコントローラにはLCDブースターが内蔵されるほか、12ch/12bitのSAR A/Dコンバータ、2ch/12bitのD/Aコンバータ、3chのオペアンプを内蔵する。また内部クロックで1MHz/8MHzの駆動が可能(外部クロック利用時は最大20MHz)なほか、2chのDMAコントローラ、複数マスタのI2C、16bitマルチプライア/32bitディバイダなどを搭載し、低電圧検知やPower On Clearを含む安全回路も搭載される。

また、128bitのFlash Memoryと7KBのRAMを搭載する128pinの78K0R/LH3が搭載され、さらに400セグメントのLCDや温度センサ/照度センサ/電圧センサ/ブザー/5方向操作のジョイスティック/DIPスイッチ、ADPCMを使った音声出力、およびプロトタイプエリアが用意される。キットにはコードサイズが16KBに制限されたIAR SystemsのEmbedded Workbenchの他、多数のデモプログラムも同梱される。キットはUSBポートからの電力で動作する。USBポートはまた、プログラムのロードにも利用できる。またMINICUBE2用のI/Fも搭載される。SENSE IT!にMINICUBE2を組み合わせることで、IARのEmbedded Workbench環境上でのソースコードデバッグ/エミュレーション、リアルタイムデバッグなどが可能となる。

もう一方のLighting Communications Demonstrationキッは、同社の78K0を搭載しており、DALIやDMX512といった照明機器制御用プロトコルに対応したもの。キットは照明機器制御マスタとして動作し、スレーブとなる照明機器をDALIあるいはDMX512経由で制御するほか、IrDA経由でのリモコンの受信も可能となっている。このキットは、例えば先にリリースされた78K0/IX2 LED demonstration kitやその他の照明機器とDALI/DMX512で接続するためのコネクタが用意されている。

キットにはDALI Master Controller GUIとDMX512 Master Controller GUIの2つのソフトウェアが同梱されいる。キットをPCとUSBケーブルで接続することで、PC上で動くこれらのソフトウェアから(DALI/DMX512経由で)照明を制御することが出来る。

DALI Master Cotroller GUIは、照明出力のリアルタイム制御を可能としており、これによりシステムの稼働中に最大/最小照度の調整や照明On/Offの制御などを可能にする。こうした制御はGUIなしでは難しいものであり、ユーザーはこれを使ってフェード率の設定を行ったり、あるいは照明機器の設置後に調整を行ったりすることが出来る。

DMX512 Master Cotroller GUIはDMX512のコンセプトを理解したり、あるいは色やフラッシュ順序を調整したりすることが出来る。照明機器の設置後にシーンの調整を手動で行ったり、あるいは自動的に行うことも可能である。このツールは照明システムのデザインやデバッグを、アプリケーションレベルで行う際に有用であり、また設定したシーンデータをCSVフォーマットで保存することも出来る。

キットにはこれらツールのマニュアルを含む様々なドキュメントが含まれている。Lighting Communications kitは78K0-LIGHTCOMMSの型番ですでに入手可能である。