NEC Electronics Europeは、CEC(Consummer Electronics Control)回路を内蔵した8ビット MCU 6品種を発表した。この製品はデジタルTVやBlu-rayプレーヤといったデジタルAV家電機器を相互に管理させることを可能にするもので、48ピンパッケージの「78K0/KC2-C」3品種と64ピンパッケージの「78K0/KE2-C」3品種となっている。

48ピンパッケージ「78K0/KC2-C」(右)と64ピンパッケージ「78K0/KE2-C」(左)

最近のAV機器の大半はHDMIインタフェースを搭載するが、このHDMIにはCECの機能が盛り込まれている。CECを使うことで、例えばBlu-rayプレーヤの再生ボタンを押したら自動的にデジタルTVの電源が入り、再生画面を表示させるといった事を可能となる。ただし現状CECは各AV機器メーカーが独自にインプリメントを行っている。今回発表された78K0/Kx2-Cを使うことで、CECによる電源オンまでの間メインのCPUをスリープ状態に置くことが可能になり、システム全体の省電力性に貢献するほか、CEC/HDMI準拠を取得するまでの工数や期間短縮にも役立つとしている。

78K0/Kx2-Cの主要な特徴は以下のとおり。

  • 開発コスト低減と省電力性(CECを専用ハードウェアで実現しており、ソフトウェアを別に開発する必要がない上、メモリやCPUパワーの節約になる。78K0/Kx2-Cの消費電力は10μA)

  • システムの操作を向上(従来はCECとリモコンで別に回路を用意する必要があったが、78K0/Kx2-CはCEC制御とリモコン受信回路の両方を搭載しており、同時に処理が可能)

  • 開発ツールを提供(従来から提供してきた8ビット MCU向け開発ツールやオンチップデバッガ/評価ボードに加え、CECの動作シミュレーションを行うCEC Viewerを同時に提供)

78K0/Kx2-Cはすでにサンプル出荷を開始している。量産開始は2010年6月を予定しており、2010年9月には月間あたり200万個の生産規模となる予定だ。