三洋半導体は、POS端末やカード決済端末などのサーマルプリンタの紙送り部や小型スキャナのヘッド駆動などに使用されるモーター駆動用途に向けたステッピングモータードライバIC「LV871XTシリーズ」として「LV8711T」「LV8712T」「LV8713T」の3製品を開発したことを発表した。LV8711T/12Tはすでにサンプル出荷を開始、LV8713Tは2009年11月からのサンプル出荷開始を予定している。サンプル価格は100円からとなっており、2010年2月より順次量産を開始する計画。

ステッピングモータードライバIC「LV8711T」「LV8712T」「LV8713T」

モバイル機器に使用されるステッピングモータードライバICは従来バイポーラ型の製品が主流で、消費電力や発熱が大きく、電池寿命が短くなるという課題があった。今回同社が開発した3製品はBiCDMOSプロセスを採用することで、低消費電力化ならびに、定電流PWMチョッピング制御による駆動効率の改善を行い高効率化も実現している。

出力Hブリッジ部にはDMOSを採用しトータルのオン抵抗は1.1Ωを実現、また、制御回路部にはCMOSを採用することで消費電流を削減し、モバイル機器に要求される待機時消費電力ゼロに対応しており、バイポーラプロセスの従来品比で、出力部消費電力は(出力電流400mA時)出力トランジスタによる損失約26%減となる176mW、回路電流による消費電力は(Vcc=3.3V、VM=12V時)約96%減となる17.6mW、回生方式は従来のダイオード回生から同期整流方式とすることで、約70%の低減を実現している。

また、パワー系電源の電圧範囲をリチウムイオン電池2セル(3.7V×2)セットの電源に対応するため、4~16Vに設定しているほか、励磁方式によるラインアップも揃えたことで、各種のニーズに対応することが可能となっている。