Exploring new ways to extend and personalize the Web

Firefoxの最大の魅力のひとつがアドオンだ。アドオンには機能を拡張するエクステンション、ブラウザのルックスを変更するテーマ、サードパーティアプリケーションの利用を可能にするプラグインなどがある。Firefoxエクステンションの総数は1万を越え、ダウンロード総数は16億を突破、アクティブに使われているエクステンションは1億7千を超えている。

MozillaはアドオンサイトAdd-ons for Firefoxの拡充と改善に継続して取り組んでおり、新しいアドオンを探しやすくする仕組みの構築や、アドオン開発者を支援するための取り組みも開始している。アドオンはFirefoxユーザをFirefoxに魅了し続ける最大の要因であり、今後も成長が期待できる。

しかしアドオンの開発者は、Firefoxのバージョンアップが実施されるまで新しいバージョンへの対応をしない傾向があり、これがユーザに対してFirefoxのアップグレードを躊躇させる原因にもなっている。アドオンが動くまでバージョンアップを控えよう、というわけだ。そうするとアドオンの対応もまた遅れるという悪循環を生む。当然Mozillaでは、これを改善するための取り組みも開始している。

アドオンがFirefoxにとって大切な機能であり続けることに代わりはないが、Mozilla LabsのAza Raskin氏はこれとは違ったアプローチでFirefoxの機能拡張と柔軟なカスタマイズ、バージョンアップ時における動作不全に対処しようとしている。UbiquityJetpackだ。従来のUIにとらわれない自然な操作(自然言語による入力や音声)を提供するUbiquityと、高い拡張性を提供するJetpack。これは若干のジョークも含まれているが、Aza Raskin氏はすべてのアドオンがいずれUbiquityやJetpackで実現されるようになり、そしてFirefoxのバージョンアップによる動作不全といった問題は解消されることになると説明している。少なくとも開発者本人はそう信じているようだ。

UbiquityやJetpackは開発段階にあるため、現状でもAPIや仕組みそのものがバージョンアップごとに変わる。この状況で永続的な動作を保証できるようになるとは思えないが、構造上そうした取り組みは現在のエクステンションのアプローチよりも簡単になる可能性はある。Mozilla Labsは11日(米国時間)、アドオンにおけるAdd-ons for Firefoxのように、Jetpackに対するコマンドと集めたサイトJetpack Galleryを公開した。まだまだ本当にベータという段階だが、すにでいくつかのコマンドが追加され、利用できるようになっている。

Jetpack Galleryのトップページ

Jetpack - GTranslatifier

UbiquityやJetpackがエクステンションを置き換えるには、まだまだ開発に着手すべき部分が多く、それに合わせてFirefox側の構造も変更していく必要がある。しかしMozilla Labsや周辺に開発者によってUbiquityやJetpackの開発が精力的に継続されている。