STMicroelectronicsは、電子機器の再起動用スマート・リセットIC「STM65xx」ファミリを発表した。同製品を活用することで、使用中の電子機器がフリーズした際に、バッテリを取り外したり、道具を使ってリセット・ボタンを押すといった動作を不要にすることが可能となる。すでに量産を開始しており、単価は1万個購入時で約0.53ドルとしている。

スマート・リセットIC「STM65xx」のパッケージ外観と適用イメージ

同ファミリは、2系統のリセット入力端子を搭載しており、任意に設定された2つの既存の操作ボタンに接続することが可能。2つの操作ボタンを一定時間(プログラム可能)押すと、メイン・プロセッサにリセット信号が送信される仕組みとなっている。

また、2系統のリセット入力端子の搭載に加え、リセット遅延時間がプログラム可能なため、ボタンの押下操作と押下時間を組み合わせることで、予期しないリセットを防止することも可能だ。

さらに、従来製品では1つのリセット・ボタンを制御していたのに対し、同ファミリでは、スマート・リセット機能を備えた2系統の入力端子のほか、多くの製品設計において必要とされるスーパーバイザ機能とリセット機能を搭載している。これにより、性能の向上、コストや基板スペースの低減が可能になり、システム・リセットと独立した手動リセット・ボタンにそれぞれ別個のチップを使用した場合、ディスクリート部品の回路が約100mm2の基板スペースとなる場合もあるが、こうした機能を2mmx2mmパッケージに搭載することが可能なため、全体のフットプリント縮小が可能になるという。