NECエレクトロニクスは10月22日、デジタルテレビやBlu-Ray Discプレーヤ(BDプレーヤ)などの相互制御を可能にするCEC(Consumer Electronics Control)機能を内蔵した8ビットのフラッシュメモリ内蔵マイコン6品種を製品化したことを発表した。2009年11月より順次サンプル出荷を開始、価格は60KBのフラッシュメモリ、3KBのRAMを64ピンのQFPパッケージに搭載した「78K0/KE2-C」が400円となっている。量産開始は2010年6月を予定しており、2010年上期で6品種合計月産200万個の量産規模を計画している。

デジタルAV機器相互制御用8ビットマイコン「78K0/KE2-C」(左)と「78K0/KC2-C」(右)

6品種の内訳は、外部接続端子数が48本の「78K0/KC2-C」が3品種、同64本の「78K0/KE2-C」が3品種となっており。それぞれフラッシュメモリが32KB、48KB、60KB品(RAMも合わせて1/2/3KBと容量が増える)となっている。

CECはHDMIで実現される機能の1つで、ケーブルで接続された機器を相互に制御することが可能。これにより、BDプレーヤの再生ボタンを押すだけで、テレビの電源が入り、自動的にテレビ画面にBDプレーヤの映像を映し出すことといったことが可能となる。

今回、同機能を専用回路化したことで、機器の待機時にCPUを休止モードにさせることが可能となり、EUが2010年1月から予定している、パソコンやテレビなどの電気製品の待機電力を1~2W以下に制限する規制などに対応することが可能となる。

また、リモコン受信機能も専用回路化しており、これらの回路を実現するソフトウェア開発の手間を省略することが可能で、システム待機状態でのCEC機能のみ駆動状態の動作電流を、同社従来品比の汎用マイコンとソフトウェアを用いたときに比べ0.2%となる約10μAに削減することが可能となる(従来品では約5mA)。

さらに、リモコン、CECがともに専用回路化されているため、従来のソフトウェア処理では困難だったCECとリモコンの制御信号を同時に処理することが可能となったほか、CEC機能のシミュレーションを行うソフトウェア「CECビューワ」にも対応しており、開発の簡素化が可能となっている。

なお、同社では、今後も製品拡充を進めるとともに、拡販活動を展開し、デジタルAV機器市場での成長を図っていくとしている。