「gooリサーチ」を運営するNTTレゾナントは15日、インフルエンザ発生時における、学校と家庭の連絡方法についてのアンケート結果について公表した。これによると、緊急連絡手段として最も望ましい手段は、「システムによる携帯・PCへのメール全校一斉送信」との回答が最多だった。

アンケート調査は、全国の私立中学校・高等学校1,396校を対象に、調査票を郵送で送信し、記入後ファクスで返送する方式で、2009年10月1日~8日に実施。220校から有効回答を得た。

これによると、2009年度(2009年4月~9月)に、インフルエンザが原因で学級閉鎖などになったか尋ねたところ、47.5%の学校が「学級閉鎖になった」と回答。「休校になった」は21.9%、「学年閉鎖になった」は16.4%だった。また、2009年9月以降に、プリント配布など、保護者へのインフルエンザに関する情報伝達をしたかについては、95.0%の学校が実施したと回答した。

今年のインフルエンザ流行で不安に感じていることについての質問では、68.1%の学校が「若年層の重症化傾向による生徒の健康不安」と回答、次いで、55.9%の学校が「インフルエンザに関わる学校から家庭への説明責任と教員の連絡稼働負担」と回答した。この結果について、NTTレゾナントは、「インフルエンザの流行による学校側の懸念事項は、生徒だけでなく、教員の稼動負担にまで及んでいる」と分析している。

「学校でインフルエンザ流行が確認された場合、家庭に休校を知らせるための緊急伝達手段は決まっているか」との質問(複数回答)には、決まっている手段として、58.4%が「学校ホームページへの掲載」を挙げたほか、52.3%が「電話連絡網」、41.1%が「担任によるクラス全家庭への個別電話」と回答した。

「学校でインフルエンザ流行が確認された場合、家庭に休校を知らせるための緊急伝達手段は決まっているか」との質問には、「学校ホームページへの掲載」との回答が最多だった

これに関し、緊急連絡手段に学校の公式ホームページを採用する際の懸念点について聞いたところ(複数回答)、92.7%が「インターネットが見られない家庭には情報が伝わらない」、44.7%が「新しく情報を載せても、更新したタイミングで知らせることができない」と回答した。

緊急連絡手段に電話連絡網(リレー式)を採用する場合の不安や不便な点については、61.8%が「途中で連絡が止まってしまう」と回答、次いで、「連絡が終わるまでの時間が読めないため、待ちの状態がいつまでも続く」(45.0%)、「途中で連絡内容が変わってしまう」(40.8%)、「連絡が終わるまで時間がかかる」(39.8%)、などとなった。

また、インフルエンザ発生時の家庭への緊急連絡手段の方法として最も望ましいと思うものについて質問したところ、最も多かったのが「システムによる携帯・PCへのメール全校一斉送信」(28.7%)、次いで、「担任によるクラス全家庭への個別電話」(25.7%)、「個人・クラス・全校など先生が任意の範囲でメッセージを送ることができる双方向連絡」(22.2%)、「電話連絡網」(13.8%)が続いた。

インフルエンザ発生時の家庭への緊急連絡手段の方法として最も望ましいと思うものについて質問したところ、最も多かったのが「システムによる携帯・PCへのメール全校一斉送信」だった

さらに、日常的な保護者への情報伝達として今後利用したい手段について聞いたところ(複数回答)、「システムによる携帯・PCへのメール全校一斉送信」が45.3%で最多、「個人・クラス・全校など先生が任意の範囲でメッセージを送ることができる双方向連絡」が44.2%で続いた。NTTレゾナントではこの結果について、「インターネットを活用した連絡システムの必要性が浮き彫りになった」と結論付けている。

日常的な保護者への情報伝達として今後利用したい手段については、「システムによる携帯・PCへのメール全校一斉送信」「個人・クラス・全校など先生が任意の範囲でメッセージを送ることができる双方向連絡」が上位だった

NTTレゾナントでは15日、インフルエンザ発生時の生徒・保護者との連絡手段に関し、全国の私立中学校・高等学校向けに、インターネットを活用した学校専用の環境でメールによる連絡を行えるWebサービス「ウェブでお知らせ」を、期間限定の特別価格で提供開始したと発表した。